2023年度の入試概要が発表された青山学院大学。全体的に昨年度と同じような出題傾向となっており、日本史が国際政治経済学部の独自問題に復活するのは再来年以降に持ち越されました。
今回はこれまでの国際政治経済学部の日本史をピックアップし、今までの傾向や対策、日本史に欠かせないおすすめの参考書について解説します。
青学(青山学院大学)国際政治経済学部の日本史の入試情報
国際政治経済学部では論述と総合問題が独自問題で出されるため、日本史は全学部日程と共通テスト利用入試のみで出されます。この項目ではこれまでの日本史の傾向についてご紹介します。
基本情報
国際政治経済学部で日本史が出題されていた時期は、大問3題で試験時間が60分、マーク式と記述式の併用でした。問題数は多くて50問ほど、その多くはマーク式と1問あたりにあまり時間をかけず、スピーディに解くのが求められる出題形式と言えます。2021年度以降は論述・総合問題となり、日本史を利用できるのは全学部日程と共通テスト利用入試に限られています。
青学国際政治経済学部の日本史の配点情報
国際政治学科・全学部日程
350点満点中、日本史の配点は100点です。
国際政治学科・個別A方式
200点満点中、日本史の配点は共通テストの25点のみで、全体の8分の1にとどまります。
国際政治学科・共通テスト利用入試3科目型
400点満点中、日本史の配点は100点です。
国際政治学科・共通テスト利用入試4科目型
600点満点中、日本史の配点は100点です。
国際経済学科・全学部日程
350点満点中、日本史の配点は100点です。
国際経済学科・個別日程方式
200点満点中、日本史の配点は共通テストの25点のみと国際政治学科と同じです。
国際経済学科・共通テスト利用入試3科目型
400点満点中、日本史の配点は100点だけです。
国際経済学科・共通テスト利用入試4科目型
600点満点中、日本史の配点は100点と割合が低めです。
国際コミュニケーション学科・全学部日程
350点満点中、日本史の配点は100点です。
国際コミュニケーション学科・個別A方式
200点満点中、日本史の配点は共通テストの25点だけです。
国際コミュニケーション学科・共通テスト利用入試3科目型
400点満点中、日本史の配点は100点です。
出題範囲
日本史の出題範囲は17世紀以降の日本史と決められており、江戸時代から現代までが出題範囲となっています。現代史も頻繁に出やすいため、学校ではあまり触れられてこなかった分、参考書などでケアが必要です。
問題量と時間配分
試験時間は60分、問題数は50問近くあるため、1問あたり1分程度で答えないといけません。2020年度では大問1題分丸々記述問題になっている部分もありました。論述系の問題はなく、知識を問うような問題だったので、素早く知識を引き出せれば時間を食わずに済みます。いずれにしても時間を意識して素早く解くことが求められ、1題15分を目安に時間配分をすべきでしょう。
大問ごとの特徴
大問1
特に大問1で必ずこの分野が出てくるという強い傾向はなく、江戸時代の問題もあれば、いきなり現代史が出てくることもあります。ただ問題の出し方として、共通テストのように論述内容で正しいものを選ぶのではなく、知識問題中心。教科書の基礎固め、アウトプットの正確性が問われるのが大問1の傾向です。
大問2
大問2もテーマがバラバラですが、ここでも知識問題ばかりとなり、センター試験のような問題はほとんど出てきません。注意したいのは年号が細かく出される問題が多く、より正確な知識を持っておかないと取りこぼしやすくなっています。
大問3
大問3になると若干センター試験や共通テスト的な問題が出始める年もありますが、2020年度では空所補充をすべて記述で答えさせる問題が出てきました。漢字やカタカナで答えるように指定されるため、漢字まで正確に覚えられているかどうかが問われやすくなります。
青学国際政治経済学部の日本史の難易度・レベルはどれくらい?
17世紀以降の日本史が出題範囲なので、いわゆる狭く深くという傾向が如実に出てきます。より深い内容を正確に把握し、漢字で正確に書けるかどうかが合否を左右するでしょう。年号を正確に覚える必要性もあるなど、基礎固めをいかに正確に行ってきたかどうかが問われるなど、一筋縄ではいきません。ただ教科書に書かれていることがテストに出てくるため、これらの勉強を怠らなければ十分に点数は狙えます。
青学(青山学院大学)国際政治経済学部の日本史の傾向と対策
ここでは様々なジャンルの問題の傾向を探り、その対策をご紹介します。
文化史・経済史問題
国際政治経済学部とあって、テーマ史として出やすいのが経済史で、プラス文化史や政治史が出されます。史料問題が頻繁に出されますが、その史料は外交に関するものが多く、外交にかかわる史料問題に備えた方がいいでしょう。いずれにしても通史理解を徹底しないとテーマ史の定着は難しいので、通史理解から行いましょう。
史料問題
テーマ史の中でも触れたように、史料問題は高確率で出やすく、対策が必要です。史料問題の一部が空欄になっており、そこを埋められるかが重要になります。史料は初見のものが出ることを想定した方がよく、細かなところまで読んでどの外交的な話題に関する史料かを推察する力をつけていくと、初見でも対応しやすくなるでしょう。
青学(青山学院大学)国際政治経済学部の日本史対策におすすめの参考書
ここでは青学国際政治経済学部の日本史対策につながる、おすすめの参考書を解説していきます。
インプット系参考書
一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書
「一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書」は、現役の高校教師が作った参考書です。人物をメインに通史理解ができるため、1つの物語として読んでいくことができ、流れをつかむのに適しています。
書きこみ教科書 詳説日本史
「書きこみ教科書 詳説日本史」は、教科書を読んでいきながら、重要な言葉を穴埋めしていく形で通史理解ができる参考書です。日本史の内容をより深いところまで理解できるほか、アウトプット的な使い方もできるのが特徴的です。
時代と流れで覚える! 日本史B用語
「時代と流れで覚える! 日本史B用語」は、表で流れをつかんでから、重要用語をチェックしていく参考書です。繰り返しの学習にも適しており、インプットだけでなくアウトプットにも活用できます。
アウトプット系参考書
日本史B一問一答【完全版】2nd edition
「日本史B一問一答【完全版】2nd edition」は、7000個近い日本史用語が登場する参考書です。頻出レベルが4段階に分かれており、段階的に日本史用語を吸収していくことができるほか、索引もついているので用語集的に使うことも可能です。
スピードマスター日本史問題集
「スピードマスター日本史問題集」は、基礎固めを行うのに適した参考書です。1冊を解くための日数が絞られているため、要点が凝縮されており、何回も解くことで基礎固めにつなげられます。
日本史標準問題精講
「日本史標準問題精講」は、難関大学などで出てくる日本史に関する良問をまとめた参考書です。解説も詳しく載っており、細かなところまで内容理解を行いたい時に最適です。
青学(青山学院大学)国際政治経済学部の日本史の過去問情報
国際政治経済学部の日本史は過去どのような形式で出題されていたのか、それを確かめるためには過去問のチェックが必要。過去問情報をまとめました。
2021年度の日本史の過去問
2021年度から日本史など社会系科目は独自問題から外されたため、大学受験パスナビなどに日本史に関する過去問の掲載はありません。全学部日程では日本史の過去問があります。
2021年度以前の日本史の過去問
大学受験パスナビでは2018年から2020年度までの日本史の掲載がありました。答えまで収録されているので、簡易的なチェックができます。東進過去問データベースでも青山学院大学の過去問が掲載されているので、チェックしてみましょう。
まとめ
17世紀以降の日本史が登場するため、より狭く深い出題範囲が想定できます。そのため、表面的な内容理解だけでは高得点が狙えない可能性があります。全学部日程でも現代史の問題が出やすいため、現代史に注意を払いつつ、日本史対策を施していくことをおすすめします。