入試改革が続く青山学院大学。一部の学部では今まで通りの入試形式になる中、多くの学部は共通テストと独自問題の併用方式で一般入試が行われています。その中の1つに法学部があります。
今回は法学部の日本史にスポットを当て、これまでの傾向や現在の総合問題の傾向と対策、おすすめの参考書をご紹介します。
青学(青山学院大学)法学部の日本史の入試情報
法学部では2021年度から総合問題を導入し、日本史も一部含まれています。ここでは今までの傾向と総合問題の傾向について解説します。
基本情報
法学部の総合問題は、A方式が現代文中心、B方式が英語中心とそれぞれ分かれ、補強するように世界史や日本史、政治経済が含まれています。2021年度からの総合問題導入によって公開されたサンプル問題では、A方式で日本史の近現代史に該当する範囲が多く出題されており、世界史よりもその比重は高め。B方式は英語長文の中で触れられる程度です。法学部で出された過去の日本史は、試験時間が60分、大問3題でマーク式と記述式の併用です。
青学法学部の日本史の配点情報
法学科・全学部日程
350点満点中、日本史の配点は100点です。
法学科・個別A方式
400点満点中、日本史の配点は共通テストが35点、総合問題が200点の配点。日本史部分は3分の1以上あるため、日本史分野における配点は100点をやや上回るような状況です。
法学科・個別B方式
400点満点中、日本史の配点は個別A方式と同じく共通テスト35点、総合問題200点ですが、日本史部分が幾分少ないため、日本史分野が占める割合は個別A方式よりも低い可能性があります。
法学科・共通テスト利用入試
350点満点中、日本史の配点は100点です。
ヒューマンライツ学科・全学部日程
350点満点中、日本史の配点は100点となっています。
ヒューマンライツ学科・個別A方式
400点満点中、日本史の配点は共通テスト、総合問題で100点をやや上回る程度で法学科個別A方式と同じです。
ヒューマンライツ学科・個別B方式
400点満点中、日本史の配点は法学科個別B方式同様で、英語に配点が偏っている形式になります。
ヒューマンライツ学科・共通テスト利用入試
350点満点中、日本史の配点は100点です。
出題範囲
総合問題では、17世紀以降の日本史Bと出題範囲が決まっている状況です。サンプル問題では近現代分野が登場し、過去の法学部では広範囲から出題されているものの、近現代史は必ず出てきました。テーマ史では外交史のほか、政治、経済が中心で、総合問題のサンプルでは憲法関連の問題も登場しています。
問題量と時間配分
試験時間は60分ですが、日本史が占める割合が多いA方式では大問1題分丸々日本史の範囲が出ています。知識問題が出やすいため、テキパキと答え、現代文を解く時間を残しておきたいところ。だいたい15分程度を目安に解いていきましょう。問題形式は内容正誤問題が中心。過去の法学部では知識問題もかなり出ており、人名を答えさせる問題もチラホラ。一問一答形式だからこそ、時間は浪費したくないところです。
大問ごとの特徴
大問1
過去の日本史では、A方式だと大問1で江戸時代の問題、B方式では原始時代から古代の範囲で出題されています。以前のA方式は現在のような17世紀以降から出題というくくりがあるため、江戸時代から出題されやすくなっています。またいきなり近現代史が大問1から登場することもあり、明確な傾向や特徴は乏しいです。
大問2
大問2も基本的に大問1と同じような傾向でしたが、以前は現代史がやや出やすい傾向にありました。日本史の授業よりも政治経済で触れられるような範囲のことが登場しており、テーマ史対策が重要になるかもしれません。
大問3
大問3で近現代に触れられるケースもあれば、過去は江戸時代初期の問題が出るなど、大問ごとに年代が新しくなっていくというわけではなさそうです。ただある年の大問3で丸々記述式の問題となり、人名や語句を答えさせる問題が出てきました。問題文の空所を埋めていくような形ですが、素早く埋められるかどうかがカギを握るでしょう。
青学法学部の日本史の難易度・レベルはどれくらい?
年代を絞っている分、簡単そうに見えて実は絞ったほうが深いところまで聞かれやすく、難易度が上がる傾向にあります。基本的には教科書レベルの問題中心ですが、勉強しやすい分、聞かれる内容が多少マニアックになることも。問題集などを活用し、細かな知識を問われても対応できるようにするべきです。
青学(青山学院大学)法学部の日本史の傾向と対策
ここでは様々なジャンルの問題の傾向を探り、その対策をご紹介します。
地理的問題
以前の日本史では地理的問題が出てきており、歴史的出来事がだいたいどこで起きたのかを理解しておく必要があります。どこで何が起きたのかという感覚を持ちながら通史理解をしていくと、おおよその地理的な状況はつかめます。総合問題のサンプルを見る限りでは必ず出てくるとは言い難く、あくまでも通史理解をする上での勉強スタイルとして取り入れていきましょう。
文化史・経済史問題
頻繁に出てくる可能性があるのはテーマ史・その中でも文化史や経済史が出される可能性が高いです。過去の法学部入試では明治時代の経済史が出題され、適切な言葉を記述する問題も。これらはテーマ別にまとめられた参考書で勉強を進めていくのが確実です。前提には通史理解を終わらせておくことが含まれますが、特に経済史の対策は必須でしょう。
史料問題
総合問題の個別B方式では図の読み取り問題が登場するなど、共通テストの形式に似たような出題形式で出題される可能性があります。共通テストでも史料問題が出される可能性が高く、史料問題に特化した参考書も出るなどその重要性は高まっています。初見でも対応できるよう、資料集で確認するとともに、その資料集で登場した史料の解説をチェックしておきましょう。初見とはいえ、資料集に掲載されているような史料と傾向は変わっておらず、1つ1つ読めば何が書かれているか理解しやすいです。
青学(青山学院大学)法学部の日本史対策におすすめの参考書
ここでは青学法学部の日本史対策につながる、おすすめの参考書を解説していきます。
インプット系参考書
一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書
「一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書」は、人物に着目し、通史理解を行っていくことができる参考書です。普通の読み物として日本史の通史理解に取り組むことができるため、日本史の基礎固め、インプットに最適です。
「90秒スタディ」ですぐわかる! 日本史速習講義
「「90秒スタディ」ですぐわかる! 日本史速習講義」は、素早くインプットができ、内容理解を短期間で終わらせられる参考書です。重要なものだけをピックアップして見開きページでインプットが終わり、色分けで重要度もわかるため、素早く基礎を固めるのにぴったりです。
山川 詳説日本史図録
「山川 詳説日本史図録」は、日本史に登場する史料などをまとめた参考書です。試験にも出るような史料が数多く出てくるほか、文化史の勉強にもなる資料なども多数掲載されており、テーマ史の勉強が捗るインプット系参考書です。
アウトプット系参考書
日本史B一問一答【完全版】2nd edition
「日本史B一問一答【完全版】2nd edition」は、一問一答形式でアウトプットが行える参考書です。入試で出やすい分野を収録しており、インプットが正しく行えたかを確かめるのに最適な1冊です。
実力をつける日本史100題
「実力をつける日本史100題」は、入試で頻繁に登場する問題をまとめたアウトプット系参考書です。頻繁に問われやすい問題ばかりを収録しているので、どこの知識が抜け落ちているかどうかがはっきりします。
日本史総合テスト
「日本史総合テスト」は、山川出版社の教科書に準拠した内容でテストを行っていくアウトプット系参考書です。教科書に書かれていることがテストで出てくるため、教科書をしっかりと理解できているかが分かり、インプットのし直しもしやすくなります。
青学(青山学院大学)法学部の日本史の過去問情報
法学部の日本史について、過去の問題はどのような傾向かを調べたいことがあるでしょう。その際にチェックしておきたい過去問の情報についてまとめました。
2021年度の日本史の過去問
2021年度から総合問題が導入されたことで、青山学院大学の全学部の過去問を掲載する大学受験パスナビに総合問題の過去問の掲載がありませんでした。全学部日程に関しては日本史の過去問の掲載があり、実際にチェックできます。
2021年度以前の日本史の過去問
2021年度以前では大学受験パスナビの場合、日本史は2018年度分まであるため、おおよその傾向がつかめます。細かな解説はありませんが、出題形式などがわかります。東進過去問データベースではそれよりも前の過去問が掲載されるなど、別のサイトでも過去問を確かめられますが、できれば赤本を購入して解説を見ながら対策を立てていきましょう。
まとめ
総合問題での日本史の問題は政治経済にもつながってくるため、文字通り総合的な能力が問われます。17世紀以降の日本史はここ数年の出題範囲になっており、どこが出やすいかについて、おおよその傾向が出ています。教科書の内容をしっかりと勉強し、演習量をこなし、正答率を高めましょう。