共通テストがスタートしたタイミングで青山学院大学で行われた入試改革。多くの学部が共通テストとの併用方式に切り替わり、法学部もその流れに。政治経済は総合問題に内包され、それなりに重要な意味を持つ科目です。
今回は政治経済に着目し、政治経済の傾向と対策、政治経済を勉強する上でおすすめの参考書をまとめました。
青学(青山学院大学)法学部の政治経済の入試情報
2021年度からスタートした総合問題では、複数の科目をセットにして出題されています。ここでは政治経済に関する入試情報をご紹介します。
基本情報
法学部で出題される総合問題は、A方式が国語重視、B方式が英語重視と分けられています。中でもA方式で政治経済分野が出やすくなっている状況です。サンプル問題でも明らかで、大問2では一部に現代文分野を含みながらも実質政治経済からの問題となっており、大問3も日本史や世界史の内容を含んでいるものの、政治経済分野といってもいい出題テーマでした。ちなみに、法学部で出された過去の政治経済では、試験時間が60分、大問3~4題、マーク式と記述式の併用となっていました。
青学法学部の政治経済の配点情報
法学科・全学部日程
350点満点中、政治経済の配点は100点です。
法学科・個別A方式
400点満点中、政治経済の配点は共通テストで35点、総合問題が200点ですが、政治経済部分は半分ほどを占めるため、政治経済そのものの配点は100点を上回るような点数です。
法学科・個別B方式
400点満点中、政治経済の配点は個別A方式と同じですが、政治経済部分が若干少ないため、個別B方式よりも重要度が下がりやすいです。
法学科・共通テスト利用入試
350点満点中、政治経済の配点は100点です。
ヒューマンライツ学科・全学部日程
350点満点中、政治経済の配点は100点となっています。
ヒューマンライツ学科・個別A方式
400点満点中、政治経済の配点は共通テスト、総合問題で100点をかなり上回るレベルで、法学科個別A方式と変わりません。
ヒューマンライツ学科・個別B方式
400点満点中、政治経済の配点は法学科個別B方式同様で、政治経済分野だけで100点に届かない程度、英語中心の配点です。
ヒューマンライツ学科・共通テスト利用入試
350点満点中、政治経済の配点は100点です。
出題範囲
総合問題では政治分野、経済分野それぞれ出題される可能性があります。過去の政治経済では、政治も経済も満遍なく出され、若干政治分野が多めです。法に関する分野が出されやすく、サンプル問題では三権分立関係の問題が出ています。満遍なく勉強をしていくのは当然ですが、政治分野にやや重きを置きながら勉強をしていきましょう。
問題量と時間配分
試験時間は60分と短めで、知識問題が出題されるなど、サクサクと解いていきたい問題が多めです。現代文分野では要約問題が出てくるなど、若干時間を使うので、大問1つあたり15分で片付けるのが理想的です。過去の法学部入試では、細かな知識まで求められる分、慎重に解くべき問題も多く、解けるところは素早く解くことを心がけるべきです。
大問ごとの特徴
大問1
年によって政治分野、経済分野それぞれ出題されており、大問1の傾向はありません。ただどちらの分野でも語句を答えさせる問題はあり、確かな知識を問うような問題形式が特徴的です。
大問2
大問2もおおよそ同じような傾向で、特定の分野が必ず出てくることはなく、ここでも語句に関する問題が出ます。共通テストのような内容正誤問題が出題されるため、複数の知識で精査していくように解いていく形になります。
大問3
総合問題との共通部分として、適切なもの、適切でないものを選ぶ問題が登場し、いわゆる○×問題のような形式で出題されています。全体を通して、正しい知識を持ち合わせているかを色々な角度から吟味していくように構成されており、攻略法は過去の法学部入試における政治経済と共通する部分があるでしょう。
青学法学部の政治経済は難しい?難易度・レベルを解説
過去には表の読み取りや数値の順番を問う問題など、細かく勉強をしていかないと点数が狙えないようになっており、ただただ暗記して挑むことは厳しそうです。政治経済という科目の性質上、時事的な問題も出しやすく、日ごろからニュースをチェックし、興味関心を持つべきです。教科書レベルの知識は必要ですが、時事問題などが出てくる分、難易度は若干高くなるかもしれません。
青学法学部の政経受験はありか?
総合問題をこなす以上、政治経済の受験は当然必要であり、政治経済の対策をせずに挑むのは厳しいでしょう。共通テストは35点分しかないですが、できれば共通テストも政治経済にして、効率よく勉強していくのが理想的と言えます。サンプル問題を見る限り、政治経済の知識があれば歴史分野の問題もこなせるようになっており、むしろ政治経済に力を入れるべきでしょう。
青学(青山学院大学)法学部の政治経済の傾向と対策
法学部入試で結果を出すために、政治経済の傾向を知り、対策を立てていきましょう。ここでは3つの傾向、対策をご紹介します。
語句は漢字まで正確に覚える
2020年度に出題された政治経済の問題では、語句を答えさせる問題が出てきており、賦課、基礎的財政収支などの語句が答えになっていました。漢字3字など字数制限もあったため、分からない漢字だけひらがなにするなどの手は打てません。そのため、インプット、アウトプットの際に漢字まで正確に覚え、漢字で正確に答えられるように勉強をしていくのがいいでしょう。
法分野、紛争系は重点的に
一応は満遍なく出題される傾向にありますが、その中でも出やすいのが法分野や紛争に関する分野。総合問題のサンプル問題では日米安保を巡る問題で、両者を足したような出題が出されています。決してヤマを張るわけではなく、出やすい傾向にある分野をメインに勉強をしていく方が効率的です。
教科書の内容をしっかりと押さえる
やや難しいとされる法学部の政治経済ですが、基本的には教科書レベルの内容が出されやすく、いかに網羅できるかがポイントになります。講義形式の参考書で分からない分野を潰していくことも大事ですが、政治分野と経済分野、どちらが得意でどちらが苦手なのかを把握しておくと、優先順位がはっきりとします。
青学(青山学院大学)法学部の政治経済対策におすすめの参考書
政治経済で高得点をとるために手に入れておきたい参考書を、インプット用、アウトプット用、それぞれご紹介します。
インプット系参考書
畠山のスパっとわかる政治・経済爽快講義
「畠山のスパっとわかる政治・経済爽快講義」は、政治経済で受験を行う学生に支持される参考書です。わかりやすいことに加え、講義形式で進められる内容が予備校の授業のようであることが人気の理由となっており、28万部以上のセールスにつながっています。
共通テスト政治・経済集中講義
「共通テスト政治・経済集中講義」は、政治経済のテーマを50に分けて解説された参考書です。共通テスト向けとなっていますが、テーマごとに基礎固めが行えるため、共通テストはもちろん、私大入試を受ける人にとっても参考になりやすいです。
私大攻略の政治・経済―要点整理と問題演習
「私大攻略の政治・経済―要点整理と問題演習」は、政治経済の要点がまとめられた参考書です。重要なポイントが整理されているので、要所をつかみながら政治経済を学んでいける1冊となっています。
アウトプット系参考書
畠山のスパっととける政治・経済爽快問題集
「畠山のスパっととける政治・経済爽快問題集」は、入試問題を分析し、出やすい問題をピックアップした参考書です。インプット系参考書でもご紹介した爽快講義編とセットで活用することで、共通テストだけでなく、時事問題にも対応できる力がつきます。
政治・経済一問一答【完全版】3rd edition
「政治・経済一問一答【完全版】3rd edition」は、政治経済の入試で頻繁に出てくる用語を一問一答で解いていくことができる参考書です。標準レベルから最頻出レベルまでランク付けがされており、基礎固めだけでなく高得点狙いにも対応しています。
政治・経済 標準問題精講
「政治・経済 標準問題精講」は、難関大学で登場する政治経済の問題を厳選してまとめた参考書です。解説が詳しく掲載されており、ただ問題を解くだけでなく、事象を理解しながら入試で出やすい問題とはどんな問題かを学んでいけます。
青学(青山学院大学)法学部の政治経済の過去問情報
政治経済の過去問を解いてみたい時にどのサイトをチェックすればいいのか、政治恵治亜の過去問情報をまとめました。
2021年度の政治経済の過去問
青山学院大学におけるすべての学部学科の過去問を掲載している大学受験パスナビでは、できる限り過去問の収集を行っていますが、2021年度に関して総合問題の問題は収録されていません。総合問題の傾向をつかむには、赤本を購入することをおすすめします。
2021年度以前の政治経済の過去問
大学受験パスナビでは、入試改革が行われる前の2020年度より前であれば政治経済の過去問が収録されています。出題された分野が頻出分野だったことが端的に示されており、傾向を自分自身でつかむことができます。また東進過去問データベースでも過去問の掲載が行われており、チェック可能です。
まとめ
法学部ということもあって、総合問題において政治経済分野が結構出やすいです。共通テストでは配点は高くありませんが、総合問題においてはかなり重要な科目になるかもしれません。語句を正確に問う問題も多いため、インプットとアウトプットを徹底していきましょう。