看板学部になることが多い法学部。青山学院大学はヒューマンライツ学科の新設で、法学部は2学科体制となり、成長を予感させます。そんな法学部に入るために、世界史を利用するのはアリかナシか。
今回は法学部の世界史にスポットを当て、世界史に関する入試情報や傾向と対策、おすすめの参考書を解説します。
青学(青山学院大学)法学部の世界史の入試情報
法学部受験において、世界史は2つの個別日程で受けられるなど、幅は広めですが、いずれも総合問題の中の1つ。ここからは詳しい傾向や過去の状況を解説します。
基本情報
法学部の総合問題は、「読解力、表現力及び論理的思考力」を問うことが総合問題導入当初に示されています。サンプル問題を見る限りでは、A方式の方ががっつりと世界史の話題が出て、B方式は英文の題材として出てくる可能性があります。そのA方式も丸々世界史が出てくるわけではないのがポイントです。法学部で出された過去の世界史は、試験時間が60分、大問3題、マーク式と記述式の併用でしたが、近現代が出やすい点が似ている程度で、現在の総合問題とは似ていない部分も目立ちます。
青学法学部の世界史の配点情報
法学科・全学部日程
350点満点中、世界史の配点は100点です。
法学科・個別A方式
400点満点中、世界史の配点は共通テストが35点、総合問題が200点ですが世界史部分は3分の1程度と仮定した場合、だいたい100点程度の配点にとどまります。
法学科・個別B方式
400点満点中、世界史の配点は個別A方式と同様、実質100点ですが、世界史の範囲がさらに狭くなる可能性もあり、より英語の配点が際立ちます。
法学科・共通テスト利用入試
350点満点中、世界史の配点は100点です。
ヒューマンライツ学科・全学部日程
350点満点中、世界史の配点は100点です。
ヒューマンライツ学科・個別A方式
400点満点中、世界史の配点は全体で100点程度と法学科と変わりません。
ヒューマンライツ学科・個別B方式
400点満点中、世界史の配点は実質100点ですが、法学科同様、英語の配点がより高まる配点になる可能性もあります。
ヒューマンライツ学科・共通テスト利用入試
350点満点中、世界史の配点は100点です。
出題範囲
総合問題では、17世紀以降の世界史Bと範囲が定められています。日本史であれば江戸時代以降と明確にできますが、世界史はそのあたりが難しめです。近現代分野なども出やすく、過去の法学部では第二次世界大戦や19世紀のアメリカなどが出題されており、近現代にやや重きを置く感じでいいでしょう。
問題量と時間配分
試験時間が60分なのは今も昔も変わりませんが、総合問題の方が世界史にかける時間が短めです。サンプル問題では内容正誤問題が中心なので、素早く内容が合っているかどうかを確かめないといけません。総合問題のメインは国語ないし英語なので、そこに時間をかけるとすれば、15分程度で世界史の範囲を終わらせるのが理想的です。
大問ごとの特徴
大問1
過去の世界史における大問1では中国史や法制史などが出されています。地域史やテーマ史が幅広く出る中で、東洋史とヨーロッパ史は出やすく、法学部なので法制史も出やすいです。過去もA方式、B方式と分かれており、その時は記述があるかないかの違いぐらい。記述式といっても語句を堪えさせる問題なので、世界史の知識を問われることになります。
大問2
大問2に関しても、地域史がメインに。大問2では19世紀のヨーロッパやアメリカが問われており、大問1、大問2、大問3と歴史がおおよそ200年近くズレていくイメージです。問題形式なども大問1とさほど変わりはなく、いかに教科書レベルの知識を身につけられるかにかかっています。
大問3
大問3は近現代史が扱われやすく、2020年度では中東戦争、イラク戦争が扱われました。知識問題もニュースに関心があれば解ける問題になっており、そのレベルは標準的。近現代が出やすく、ニュースに関心があれば解けるとなれば、おおよその範囲は限られますが、頻出分野を中心に勉強を進め、理解を深めましょう。
青学法学部の世界史の難易度・レベルはどれくらい?
世界史の難易度ですが、教科書レベルの問題が出されるので17世紀以降の世界史を押さえておけば、基礎さえ固めておけば総合問題で取りこぼす心配がありません。過去の世界史の難易度も教科書レベルなので、イチから基礎固めをしていけば、十分に対応できるレベルです。
青学(青山学院大学)法学部の世界史の傾向と対策
総合問題で扱われる世界史、過去の入試の世界史、それぞれの傾向、対策をご紹介します。
近現代に注意
満遍なく出題されやすい世界史ですが、頻繁に出やすいのが近現代史。2020年以前の世界史、総合問題導入後の世界史分野含めて、近現代の問題が出やすくなっています。近現代史は授業でそこまで時間をかけていないため、自分自身でもケアをしておかないと大変です。17世紀以降が範囲なので、近現代史を中心に勉強を進めていきましょう。
教科書レベルの知識問題で取りこぼし厳禁
世界史の傾向を見る限り、知識問題が頻繁に出てきます。語句を答えさせる問題を始め、教科書レベルの知識があれば解けるようなものばかり。範囲が広い分、どこまで網羅できるかが重要になるので、講義形式の参考書を活用して全範囲で教科書レベルの知識をつけていくことが第一です。
メインは国語ないし英語なので、スピーディに解く
総合問題では、個別A方式は現代文の読解、B方式は英語の長文読解がメインになり、所々で世界史に関する問題が出てくる形です。時間をかけるべきは現代文や英語長文で、世界史分野はパパッと解き終わることが求められます。やはり教科書レベルの知識を身につけていき、一問一答形式の問題でインプット、アウトプットを行っていくのがいいでしょう。
青学(青山学院大学)法学部の世界史対策におすすめの参考書
青学法学部の世界史対策につながる、インプット系、アウトプット系それぞれの参考書についてご紹介していきます。
インプット系参考書
青木裕司 世界史B講義の実況中継
「青木裕司 世界史B講義の実況中継」は、教科書レベルの世界史をイチから身につけていくことができるインプット系参考書です。講義形式で展開されており、教科書と連動しながら進められるため、授業についていけなかった人のサポートにもなるような内容となっています。
これならわかる!ナビゲーター世界史B
「これならわかる!ナビゲーター世界史B」は、世界史をゼロから勉強したい人におすすめの参考書です。通史理解が進みやすく、時代によって分けられているため、近現代など特定の時代だけをピックアップして勉強を進めていくことができます。
大学入試 ストーリーでわかる世界史B
「大学入試 ストーリーでわかる世界史B」は、人の動きと歴史の流れで通史理解を行っていくインプット系参考書です。歴史の因果関係などがわかりやすく描かれており、なんとなく世界史を学びながらも勉強をし直したい人におすすめです。
アウトプット系参考書
大学受験 ココが出る!! 世界史Bノート
「大学受験 ココが出る!! 世界史Bノート」は、過去の入試問題などを分析し、テーマ別に応じて問題が出題されていく、アウトプット系参考書です。実際の問題が出てくるため、どの水準まで達しているかのメドがつけやすいのが特徴的な1冊です。
斎藤の世界史B一問一答 完全網羅版
「斎藤の世界史B一問一答 完全網羅版」は、大学入試で登場しやすい世界史の用語に関して一問一答形式で振り返ることができる参考書です。参考書と連動した無料アプリもあるので、一緒に活用しながら内容理解に努められます。
世界史用語 マルチ・トレーニング
「世界史用語 マルチ・トレーニング」は、文章や地図、年表でまとめながら、知識定着を目指す参考書です。動画なども活用して知識の定着、インプット、アウトプットが行えるので押さえておくべき部分をきっちりとまとめていくことができます。
青学(青山学院大学)法学部の世界史の過去問情報
法学部の世界史に関して過去問はどのような感じになっているのか、過去問情報をまとめました。
2021年度の世界史の過去問
2021年度は総合問題だったためか、青学の過去問を掲載している大学受験パスナビにも掲載がありませんでした。一方で全学部日程の世界史は掲載されており、おおよその傾向をつかむことができます。
2021年度以前の世界史の過去問
2021年度以前に関しては世界史など社会系科目は大学受験パスナビですべて掲載されており、過去の傾向をつかめます。この他には、東進過去問データベースなどのサイトで、大学受験パスナビが掲載する年度以前の過去問が掲載されているので、そちらもご確認ください。
まとめ
総合問題における世界史分野はそこまで比重は大きくなく、共通テストでも配点が低いため、国語ないし英語でしっかりと点数をとっておくことが重要です。だからといって軽視すべき教科ではなく、1点の違いで合否を左右することも。参考書を活用して効率よく勉強し、高得点を狙いましょう。