青学の文系学部を受験する文系学生の選択科目として選ばれることが多い世界史。青学の世界史はどれくらいのレベルなのか、イメージが浮かばない方も多いかもしれません。
今回は青学の入試で登場する世界史の情報を中心にご紹介するとともに、世界史の傾向と対策、世界史を勉強する上でのおすすめの参考書などをまとめました。
青学(青山学院大学)の世界史の基本情報
青学の世界史に関する基本的な情報をまとめましたので、ご紹介します。
青学の世界史の配点
全学部日程において世界史を選択科目として受験できる学部学科は理工学部以外の学部学科でいずれも100点です。個別学部日程における独自問題で世界史を用意する学部学科は、文学部史学科150点、経済学部2学科のA方式100点のみです。総合問題という形で世界史が組み込まれているケースもありますが、単独科目では以上となります。
青学の世界史の解答形式
全学部日程では基本的に全問マーク式となっており、大学共通テストのようなイメージです。史学科の場合はマーク式、記述式、論述式が混在しており、少し長めの文字数で論述を書くことになります。
青学の世界史の出題範囲は?
総合問題で国語や他の地歴科目と一緒に世界史が出される場合は、「17世紀以降」の内容が登場します。これは青山学院大学の入試要項にも書かれていることです。一方、全学部日程や個別学部日程の場合ですが、近現代が出やすいとされています。また一般的に出やすい政治史や経済史だけでなく、文化史も出やすいのが青学ならでは。特定の年代、エリアでまとめて出題されることもあります。満遍なく出てくるほどではないでしょう。
青学の世界史の試験時間と時間配分
全学部日程では60分、個別学部日程では経済学部2学科も60分ですが、文学部史学科のみ90分となっています。史学科の場合、大問4題のうち2題がマーク式、1題が記述式、ラストに論述となっており、時間配分では論述を多めにして30分、他は1題20分ぐらいでまとめていくのが理想的です。
青学の世界史は難しい?難易度を考察
世界史のレベルは基礎から標準レベルと言われていますが、全学部日程の平均点を見る限りではそこまで高いわけではなく、英語や国語の点数の高さと比較するとかなり低めです。論述問題で手こずる人もいることから、その部分で苦戦する可能性は否めませんが、現状では標準レベルにあると言えます。
青学(青山学院大学)の世界史の傾向・特徴
一筋縄ではいかなそうな、青学の世界史。マーク式や記述式、論述式などがある中で他にはどのような特徴があるのか、解説します。
青学の世界史全体の特徴
欧米とアジアが出やすい
全学部日程では大問3題で出題されることが多く、その内訳は欧米とアジア、それ以外。先ほど近現代が出やすい、文化史が出やすいとご紹介しましたが、地域でも欧米とアジアが出やすいことが言えます。
1問あたりの時間が短い
大問3題で出題される世界史ですが、その問題数はおよそ50問ほど。60分のテストですから、1問あたり1分少々しかありません。選択肢の中から選ぶ際にどちらが正解かややこしいものも含まれています。加えて文化史なども出てくれば、必ずどこかで悩むことでしょう。スピーディに解くことが求められます。
教科書レベルの知識が問われやすい
青学の世界史では、大戦後の現代史が問われやすい傾向にあるなど授業で殊更取り上げられてこなかった部分が問われることがあります。しかし、問われる内容は教科書レベルで、しっかりと対策を立てていればこなせるものばかりです。重要なのは現代史に全く触れもしないで、本番を迎える状態を避けること。全世代を網羅し、基礎固めを徹底することが重要です。
青学の世界史の入試方式ごとの特徴
一般選抜(個別日程)
文学部史学科では350字の論述問題が登場し、指定された書き方で問題に答えていきます。資料などが登場するため、それを読み解きながら問題に答えていくことも必要になります。レベル的には標準レベルとされていますが、学部によっては難易度が高くなるケースもあり、過去問をチェックして判断しておくのがベストです。
一般選抜(全学部日程)
全学部日程の世界史はMARCHの中でも易しめと言われるほど、そこまでひねった問題は出てこない傾向にあります。エリアは欧米とアジア、時期は近現代が出やすいですが、そこだけに絞っていても高得点は狙えないので、満遍なく勉強を行う必要があります。
問題ごとの特徴
幾度もご紹介している通り、青学の世界史ではマーク式、記述式、論述式が登場します。ここではこの3つの問題形式に関する特徴をご紹介します。
マーク式問題
マーク式では空欄補充や年代の並び替えなど、大学共通テストでも見かけるような答え方が中心です。考え方としては共通テストを意識していただければ問題はなく、あとは冷静に、言葉を当てはめていくなどしていきましょう。
記述式問題
文学部史学科の記述式問題では空欄を埋める問題などが出てきます。カタカナのちょっとしたミスで減点されることもあるので正しく用語を覚えることが求められます。年号を答えさせる問題もあるので、年号と出来事をセットで覚えることも必要です。
論述問題
文学部史学科の論述問題は、2つの問いが用意されている中で1つを選び、それについて350字で論述を行います。この際、特定の語句を入れるように問題文で指定されることがあるので、その特定の語句を踏まえて論述を行っていきます。
青学(青山学院大学)世界史の対策法・勉強法を単元ごとに解説
青学の世界史では色々な種類の問題が出てきますが、どのように対応をしていけばいいか、対策と勉強法をご紹介します。
通史理解の対策法・勉強法
年代の並び替えなどで重要になる通史理解。歴史は線で覚えていくのが効率的なやり方であり、1つの軸になります。講義形式の参考書などを活用して流れで歴史を学んでいくのがおすすめです。この後ご紹介する単語暗記も、歴史の流れに沿って覚えていくことでまとまりで覚えられるようになります。なぜこんなことが起きたのか、その疑問を持ちながら講義形式の参考書で勉強を行いましょう。
単語暗記の対策法・勉強法
単語暗記に関しては、大事なことはただ単にインプットをすることではありません。大事なのは思い出す作業、いわゆるアウトプット。インプットとアウトプットを交互に行っていくことで単語が定着します。市販の参考書、教科書、資料集、用語集を活用しながら覚えていき、演習問題でのアウトプットに励みましょう。
短文論述の勉強法
短い字数の中で端的に表現していく力が問われる短文論述。この場合、とにかく短文論述の問題を解いて、模範解答との違いを比較していくことが求められます。端的にまとめるのは場数、経験がモノをいうので、積極的に解いていきましょう。
論述問題の勉強法
350字の論述問題も基本的な考え方は短文論述と変わりません。要所をまとめながら、相手はどんな答えを求めているかを考えて、最終的にまとめることができれば、一定の点数はもらえるでしょう。自分の意見を述べる際、論理的な形になっているかを気を付け、論述の練習に励みましょう。
青学(青山学院大学)世界史は何割取れれば良い?
選択科目として高得点を確保しておきたい世界史ですが、実際のところ、何割ぐらい取れればいいのか、解説します。
青学世界史の合格最低点はどれくらい?
2019年度の全学部日程の科目別点数が公開されています。ここでは合格者の平均点や受験者全体の平均点がまとめられています。世界史に関しては一番高い合格者の平均点で6割をわずかに超える程度、そのほとんどは5割台となっています。全学部日程の英語における合格者の平均点は9割前後、国語の場合は8割後半ばかりの中、世界史は5割台と明らかに低いことが言えます。これは全ての学部で共通する部分です。
青学世界史の平均点はどれくらい?
次に受験者全体の平均点をご紹介します。2019年度の全学部日程の平均点ですが、5割前後がほとんどで多くの学部学科は5割をやや切っています。英語や国語の平均点が7割以上であることを考えると、やはり低い数字です。
結論:青学世界史は何割必要?
英語でも国語でも9割の点数を取れていた場合、世界史は7割ぐらいとれればかなり合格の可能性が高まります。合格者の平均点を見る限り、6割でも良さそうですが、7割以上の点数を狙っていくのがいいでしょう。
青学(青山学院大学)世界史の勉強におすすめの参考書一覧
青学の世界史の試験で高得点をとるには参考書の存在が重要。おすすめの参考書を初級者から上級者向けまでご紹介します。
初級者向けの世界史参考書
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」は、YouTuberとして活躍する現役の高校教師がまとめた歴史の動画をまとめた参考書です。年号は登場せず、主語を固定して紹介されていくため、よりわかりやすく、1つのストーリーとして内容を理解していくことができます。
タテから見る世界史・ヨコから見る世界史
「タテから見る世界史・ヨコから見る世界史」は、時系列的に学びながら、同時期に別のエリアで起きた出来事も学べる参考書です。それぞれ独立した1冊の参考書になっており、まずはタテから学び、その後ヨコを学ぶと理解度が増します。
中級者向けの世界史参考書
山川一問一答世界史
「山川一問一答世界史」は、世界史の教科書に登場する歴史用語をまとめた参考書です。一問一答形式になっており、暗記をするためのインプット、アウトプット両方で活用できる1冊となっています。
これならわかる!ナビゲーター世界史B
「これならわかる!ナビゲーター世界史B」は、世界史の通史理解を助けてくれる参考書です。シリーズ化されており、読み進めていく中で世界史の通史を知ることができます。教科書も出版している山川出版社の本なので、内容も確かです。
上級者向けの世界史参考書
実力をつける世界史100題
「実力をつける世界史100題」は、世界史の入試で登場しやすい問題を100題にまとめた参考書です。難関私大で出てきやすい題材がまとめられており、実践的な勉強が行えます。
世界史 標準問題精講
「世界史 標準問題精講」は、難関大学で登場する世界史の良問を収録した参考書です。難しめの問題が収録されているほか、精講では詳しい解説が掲載されており、解きながら学んでいくことができます。
青学(青山学院大学)世界史の過去問情報
青学の世界史はどんな問題が多いのかをチェックしたい時、どのサイトで過去問チェックをすればいいのか、主なサイトをご紹介します。
大学受験パスナビ
大学受験パスナビでは青山学院大学を含めた約180の大学に関する過去問をまとめ、会員に公開しています。登録自体は無料で簡単に行えますが、過去に遡ると公開が終わっている科目もあるため、早めのチェックをおすすめします。
東進
東進でも青学の過去問が公開されています。東進の場合は若干昔の過去問となっており、最新のトレンド、傾向から外れている可能性があります。ただ青学のレベル自体は変わっていないため、ちょっとした小手調べをするのに最適です。
まとめ
青学の世界史は標準レベルではありますが、点数的にはやや低く、世界史を得意とする人はチャンスかもしれません。2021年度から独自問題で世界史を扱う学部学科が減っており、今後の動向にも注目です。まずは参考書などを活用して基礎を固め、高得点がとれるまで勉強を重ねていきましょう。