文系学部でありながら、数学の要素も必要になってくる経済学部。青山学院大学の経済学部では個別学部日程で数学があり、英語と数学の2教科で受験ができます。果たして数学のレベルはいかに。
今回は青学経済学部の数学に着目し、数学入試の基本情報や傾向、対策、試験勉強に欠かせないおすすめの参考書についてご紹介します。
青学(青山学院大学)経済学部の数学の入試情報
個別B方式で登場する数学。そのレベル、難易度、傾向はどのようになっているのか、詳しく解説します。
基本情報
経済学科、現代経済デザイン学科ともに、個別B方式で数学が出題されます。数学は大問4題で構成され、試験時間は60分。1題あたりの時間は15分とあまり余裕がありません。後ほど紹介する出題傾向もややはっきりとしており、対策の立て甲斐があることは確かでしょう。また全問マーク式の時と記述式の時があり、証明問題などがある場合に記述式の問題が出てきます。
青学経済学部の数学の配点情報
経済学科・全学部日程
350点満点中、数学の配点は100点です。
経済学科・個別B方式日程
250点満点中、数学の配点は100点となっています。
経済学科・共通テスト利用入試
500点満点中、数学の配点は100点です。
現代経済デザイン学科・全学部日程
350点満点中、数学の配点は100点です。
現代経済デザイン学科・個別B方式
250点満点中、数学の配点は100点と割合が低めです。
現代経済デザイン学科・共通テスト利用入試
500点満点中、数学の配点は100点です。
出題範囲
個別B方式での数学の出題範囲は、数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学Bです。数学Ⅲは出てこないため、文系数学でも十分対応できる範囲です。ただ微分積分やベクトルなど躓きやすい問題が出やすい分、早めの対策が重要です。
問題量と時間配分
大問4題で試験時間は60分と結構キツキツでこなしていきます。確率のように分かりやすいものもあれば、ベクトルなど一筋縄ではいかないものも。すべて15分ずつで考えるのではなく、1つの大問を10分で解いて、別の大問は20分というような時間配分にして、確実に解いていきましょう。
大問ごとの特徴
大問1
大問1は小問集合という形で出題されやすく、様々なジャンルが登場します。大問1でマーク数が28あるので、スピーディに解いて難しい問題につなげていくことになるでしょう。頻出とされる確率などの演習問題をしっかり解いて、できるだけ時間をかけないようにしたいところです。
大問2
大問2に関しても小問集合問題が出てきやすい傾向にあります。過去には図形と方程式の問題があり、入試にも出やすい部類とされています。図形と方程式は例年出やすいため、これと確率、微分積分やベクトルは徹底的に勉強していきましょう。
大問3
大問3では1つのテーマに絞って問題が出されるため、ここでベクトルや微分積分などが出てくる可能性があります。記述式問題の次に難易度が高いかもしれず、時間を使う恐れが高いです。
大問4
大問4では「論理的思考力・判断力・表現力」を調べるために記述式問題が出題されます。論理展開や適切な解き方を選べているかなどを判断したいと出題意図を述べるなど、論理的に証明問題を解けるかどうかがポイントになります。ここで差がつきやすいとされ、今後もこの形式が続くと予想されることから、過去問なども活用して対策を立てる必要があるでしょう。
青学経済学部の数学は難しい?難易度・レベルを解説
経済学部の数学は難しいというのがもっぱらの評判であり、かなり警戒されています。しかし、よくよく見ていくと一般的な難易度にとどまり、基礎が徹底されていて教科書の問題がすんなりとこなせるレベルであれば、難しくて歯が立たないとはなりにくいでしょう。ネックになるのが試験時間の短さで、いかにスピーディに解けるかがカギとなる分、時間のなさが難易度につながっている可能性があります。
青学(青山学院大学)経済学部の数学の傾向と対策
記述式問題が登場するなど着実に難化傾向にある数学。その他の傾向、対策について解説します。
出やすい分野ははっきりと存在する
数学では、確率を始め、ベクトルや微分積分などが頻繁に登場してきます。絶対に出てくると断言はできませんが、高い確率で出てくるでしょう。傾向がはっきりしている分、その分野を基礎から洗い直すことは可能。出やすい分野があるからこそ、少しでも苦手意識がある分野であればゼロからやり直すのも1つの手です。
スピーディに解くのが必須
問題数の割に与えられた時間が短い経済学部の数学。慎重に解き進めるのもいいですが、これでは時間切れとなって思ったように点数が伸びないことも。スピーディに解いていき、素早く見直しチェックができるようになるのが理想的です。このためにはとにかく演習をこなさないといけません。基礎固めを終えてから素早さと正確さを追い求めていくようにしましょう。
教科書の章末問題と難易度は変わらない
様々な予備校が数学の難易度についての見解を述べています。多く目につくのは、超難関レベルではなく教科書の章末問題レベルではないかという見解です。章末問題レベルだから簡単なんだろうと思ったら大間違い。苦手な分野であれば最初から苦戦することもあります。章末問題をクリアできるように勉強をしていけば、経済学部の数学に耐えられるかもしれません。
青学(青山学院大学)経済学部の数学対策におすすめの参考書
一筋縄ではいかない経済学部の数学。少しでも点数を上げるためには基礎から積み重ねていく必要があります。その助けになるであろう参考書を習熟度別にご紹介します。
初心者向け参考書
新課程 チャート式解法と演習数学I+A
「新課程 チャート式解法と演習数学I+A」は、基礎固めから発展までこなせる参考書です。別名黄色チャートとも呼ばれ、詳しい解説が特徴的です。文系学生が数学を利用する際、基礎から固めていくのに最適です。
入試につながる 合格る 数学
「入試につながる 合格る 数学」は、これから高校数学を学び始める人、イチから振り返りたい人向けに作られた参考書です。講義形式で展開されていき、入試で出てきやすい問題や解き方などが詳しく解説されており、基礎固めに最適です。
中級者向け参考書
文系の数学 重要事項完全習得編
「文系の数学 重要事項完全習得編」は、入試で出てきやすい内容、教科書の章末問題に登場しやすいものをまとめた参考書です。効率的に解けるよう、問題のチョイスもムダがなく、解説も分かりやすいため、基礎固めからのステップアップを目指す人にもおすすめです。
数学基礎問題精講
「数学基礎問題精講」は、小問集合問題などに対応した参考書です。小問集合で出やすい部分をまとめており、スピーディに解くためにクリアすべき問題を意識しながら解いていくことができます。
上級者向け参考書
文系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B
「文系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B」は、難関大学の問題を中心に収録し、解説も詳しい参考書です。青学を含めたMARCHだけでなく、国公立大学からも数多く出てくるため、より解き応えのある数学の問題を解いていくことができます。
新課程 チャート式基礎からの数学I+A
「新課程 チャート式基礎からの数学I+A」は、数学のレベルを引き上げられる参考書です。別名青チャートは理系学生が必ず持っている参考書であり、文系学生はやや難しめですが、これを難なく解けるようになれば、経済学部の数学はこなせるでしょう。
青学(青山学院大学)経済学部の数学の過去問情報
数学は演習量が勝負になるため、過去問を利用して1問でも多く解いてみたいものです。過去問の掲載状況について解説します。
2021年度の数学の過去問
経済学部の数学の過去問に関して、大学受験パスナビなどでは掲載されていません。2021年度分で数学の過去問があるのは理工学部に限られています。他の科目は掲載されているため、何かしらの理由が考えられますが、2021年度に関しては数学の過去問をネット上で見つけるのは難しいでしょう。
2021年度の数学の過去問
2017年よりも前で、経済学部以外の過去問となると、SUUGAKU.JPで掲載されています。主に理工学部の問題が収録されており、文系学生には難しいかもしれませんが、ここで一定の手ごたえを感じられれば、本番でも十分チャンスがあるでしょう。また東進でも過去問が収録されており、こちらも確認しましょう。
まとめ
経済学部の数学は標準レベルとされていますが、基礎固めをしないと大変な問題ばかりです。記述式問題では証明問題が出されるなど、演習をこなしていないと厳しいです。まずは苦手分野を見つけてそこから固めていきましょう。あとは黄色チャートや青チャートで演習量を確保し、過去問で総仕上げをしていけば高得点が狙えるようになります。