青学を代表する学部といえば、文学部が挙げられます。文学部英米文学科は青山学院大学を代表する看板学科だからです。それ以外の学科も有名なところがあり、文学部に入りたい学生は少なくありません。
今回は青学文学部の傾向と対策、入試情報や文学部の難易度などを解説します。
青学(青山学院大学)文学部の入試情報
まずは青学文学部全体の入試情報をご紹介してまいります。
青学文学部の学科ごとの偏差値
英米文学科 偏差値 60.0~65.0
フランス文学科 偏差値 57.5
日本文学科 偏差値 62.5
史学科 偏差値 65.0
比較芸術学科 偏差値 65.0
青学文学部の入試方式ごとの配点・試験時間・合格最低点
英米文学科・共通テスト利用入試
必須・英語:リスニングあり200〔100〕点(80分)
必須・国語:100点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:100点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:100点(60分)
選択・数ⅠAor数ⅡB:100点(60分)
選択・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から2科目:100点(60分)
選択・物理or化学or生物or地学から1科目:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:400点
合格最低点:333点
英米文学科・共通テスト併用個別A方式
共通テスト3教科3科目
必須・英語:リスニングあり100〔50〕点(80分)
必須・国語:100点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:100点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
個別学力試験
英語:200点
合計:500点
合格最低点:361点
英米文学科・個別B方式
外国語:200点(100分)
英語による総合問題:200点(60分)
合計:400点
合格最低点:296点
英米文学科・個別C方式
外国語:200点(100分)
国語総合(漢文を除く):100点(60分)
合計:300点
合格最低点:205点
英米文学科・全学部日程
必須・外国語:150点(80分)
必須・国語総合(古文・漢文を除く):100点(70分)
選択・世界史Bor日本史B:100点(60分)
選択・政治経済:100点(60分)
選択・数学:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:350点
合格最低点:283点
フランス文学科・共通テスト利用入試
必須・英語orドイツ語orフランス語:リスニングあり200〔100〕点(80分)
必須・国語:200点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:100点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:100点(60分)
選択・数ⅠAor数ⅡB:100点(60分)
選択・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から2科目:100点(60分)
選択・物理or化学or生物or地学から1科目:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:500点
合格最低点:394点
フランス文学科・共通テスト併用個別A方式
共通テスト2教科2科目
必須・英語orドイツ語orフランス語:リスニングあり200〔100〕点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:100点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:100点(60分)
必須1教科+選択1教科の合計2教科で行う。
個別学力試験
総合問題:200点
合計:500点
合格最低点:総合問題130点以上かつ総合点427.5点以上
フランス文学科・共通テスト併用個別B方式
共通テスト1教科1科目
必須・英語orドイツ語orフランス語:リスニングあり200〔100〕点(80分)
個別学力試験
総合問題(論述):200点
合計:400点
合格最低点:総合問題132点以上かつ外国語179点以上
フランス文学科・全学部日程
必須・外国語:150点(80分)
必須・国語総合(古文・漢文を除く):100点(70分)
選択・世界史Bor日本史B:100点(60分)
選択・政治経済:100点(60分)
選択・数学:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:350点
合格最低点:263点
日本文学科・共通テスト利用入試
必須・英語orドイツ語orフランス語or中国語or韓国語:リスニングあり200〔100〕点(80分)
必須・国語:200点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:200点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:200点(60分)
選択・数ⅠAor数ⅡB:200点(60分)
選択・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から2科目:200点(60分)
選択・物理or化学or生物or地学から1科目:200点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:600点
合格最低点:510点
日本文学科・共通テスト併用個別A方式
共通テスト2教科2科目
必須・英語:リスニングあり100〔50〕点(80分)
必須・世界史Bor日本史B:100点(60分)
個別学力試験
国語総合・古典B:150点
合計:350点
合格最低点:274点
日本文学科・共通テスト併用個別B方式
共通テスト1教科1科目
必須・英語:リスニングあり100〔50〕点(80分)
個別学力試験
国語総合・古典B:150点
合計:250点
合格最低点:201.3点
日本文学科・全学部日程
必須・外国語:150点(80分)
必須・国語総合(古文・漢文を除く):150点(70分)
選択・世界史Bor日本史B:100点(60分)
選択・政治経済:100点(60分)
選択・数学:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:400点
合格最低点:321点
史学科・共通テスト利用入試
必須・英語orドイツ語orフランス語or中国語or韓国語:リスニングあり200〔100〕点(80分)
必須・国語:200点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:200点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:200点(60分)
選択・数ⅠAor数ⅡB:200点(60分)
選択・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から2科目:200点(60分)
選択・物理or化学or生物or地学から1科目:200点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:600点
合格最低点:492点
史学科・共通テスト併用個別方式
共通テスト3教科3~4科目
必須・英語:リスニングあり100〔50〕点(80分)
必須・国語:100点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:100点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:100点(60分)
選択・数ⅠAor数ⅡB:100点(60分)
選択・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から2科目:100点(60分)
選択・物理or化学or生物or地学から1科目:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
個別学力試験
世界史Bor日本史B:150点
合計:450点
合格最低点:314点
史学科・全学部日程
必須・外国語:150点(80分)
必須・国語総合(古文・漢文を除く):150点(70分)
選択・世界史Bor日本史B:100点(60分)
選択・政治経済:100点(60分)
選択・数学:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:400点
合格最低点:315点
比較芸術学科・共通テスト利用入試
必須・英語orドイツ語orフランス語or中国語or韓国語:リスニングあり200〔100〕点(80分)
必須・国語:200点(80分)
選択・世界史Bor日本史Bor地理B:200点(60分)
選択・現社or倫理or政経or倫理政経:200点(60分)
選択・数ⅠAor数ⅡB:200点(60分)
選択・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から2科目:200点(60分)
選択・物理or化学or生物or地学から1科目:200点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:600点
合格最低点:512点
比較芸術学科・共通テスト併用個別方式
共通テスト3教科3科目
必須・英語:リスニングあり100〔50〕点(80分)
必須・国語:100点(80分)
必須・世界史Bor日本史B:100点(60分)
個別学力試験
論述:150点
合計:450点
合格最低点:328点
比較芸術学科・全学部日程
必須・外国語:150点(80分)
必須・国語総合(古文・漢文を除く):150点(70分)
選択・世界史Bor日本史B:100点(60分)
選択・政治経済:100点(60分)
選択・数学:100点(60分)
必須2教科+選択1教科の合計3教科で行う。
合計:400点
合格最低点:319点
青学(青山学院大学)文学部の傾向と対策
青学文学部を受験するにあたり、文学部の傾向を知り、対策を立てる必要があります。文学部全体、科目別それぞれの傾向と対策をご紹介します。
文学部全体の傾向と対策
英語は9割以上の点数が求められる
2019年度における全学部日程の合格者平均点を見ると、外国語においてほとんどの学部が合格者平均点が9割を超えていました。選択科目の合格者平均点が5割台、6割台が目立つ中、外国語の点数の高さが異常です。この傾向は文学部に限ったことではなく、青学全体に言えることですが、英語での取りこぼしは厳禁であることは間違いありません。
国語も英語と同様の高いレベルが求められる
文学部ということもあり、国語の重要性が高いのも特徴です。国語でも全学部日程の合格者平均点を見ると、英語ほどではありませんが、国語も平均点は8割台と高めでした。全学部日程における国語は現代文がメインとなっており、比較的点数を稼ぎやすいことが背景にあります。古典や漢文を除き、現代文のみが出てくる入試形式もあるので、国語に関しても高いレベルが求められることは確かでしょう。
選択科目は得点調整により、偏差値が得点になる
全学部日程では、地歴公民や理科、数学の中から1つ科目を選んで受験します。この時、それぞれの科目で難易度にバラつきが出るため、得点調整が行われます。この得点調整が厄介で、いくら満点に近い点数をとっても、偏差値法で得点が調整されるため、高くても70台でとどまりやすくなります。合格者平均点でもおおよそ6割台なのはそういう理由です。つまり、選択科目で国語英語のミスを挽回するのは極めて困難であり、英語と国語の重要性が高いことがわかります。
科目別の傾向と対策
英語
英語の青山と呼ばれるだけあって、英語は非常に難易度が高いです。長文読解は1題で1000語以上、英文和訳、自由英作文も登場し、100分という時間の中でも時間の足りなさを感じてしまうくらい、濃厚です。全学部日程での合格者平均点でもお分かりのように、ハイレベルの中で戦うことになります。このため、文法や語彙に関する問題での取りこぼしは致命的です。しかも文法などの問題はさほど難しいわけではなく、基礎固めをしていればクリアできます。その他に関しては文法や語彙の基礎固めを徹底してから演習に取り組み、過去問で確認していきましょう。
国語
現代文2題+古文1題で行われるのが一般的な国語ですが、マーク式と記述式の併用になります。ただ難易度は標準レベルとされ、基礎固めの徹底と演習量で点数を確保することはできるでしょう。ただ古文に関しては特定の時代が出やすいわけではなく、広範囲から出題され、文法問題や文学史など多彩な問題が登場します。古文単語の丸暗記だけでは歯が立たないことも想定できるため、複数の意味を覚えるなど古文対策に意識を向けましょう。
日本史
テーマ史と史料問題で構成されることが多い日本史ですが、レベルは標準レベルなので教科書の内容を頭に入れておけば十分高得点は狙えるでしょう。注意すべきは史料問題で、教科書に登場する史料以外から出されることも多々あります。共通テストでも史料問題が出てくるなど、年々重要性が増しており、史料問題に関する参考書で対策を立てるべきです。
世界史
世界史はアジアとヨーロッパ中心で出やすいと言われていますが、他の地域からもいきなり出題されるため、特定の地域に絞った勉強はおすすめできません。テーマ史に関しても同様で、政治史や外交史が多い一方、文化史なども出てきます。教科書に書かれていることをしっかりと叩き込み、大まかな傾向で出てきやすいヨーロッパやアジアを最初に勉強し、他のエリアも網羅していくような対策の立て方が無難です。
地理
自然環境などが中心に出やすい地理。ただ一番注意したいのは出題範囲よりも選択肢の多さです。選択肢だけで90個もあった問題が登場し、時間を食ってしまうケースもあります。自然と地形を連動させた問題が多いため、エリアの気候に関する特徴をそれぞれ覚えていき、演習問題でブラッシュアップをしていくのがおすすめです。あとは選択肢を正しく選び、マークミスなどをしないようにしましょう。
政治経済
どちらかといえば経済がメインになりやすい文学部の政治経済。レベル自体は標準なので、教科書の内容を頭に入れることが大切です。講義形式の参考書を活用することだけでなく、時事問題も出やすいため、常日頃からニュースに関心を持ち、なるべく疑問を持つようにして自分で調べるクセをつけていきましょう。
青学(青山学院大学)文学部の難易度はどれくらい?
青学文学部の難易度はどれくらいなのか、全体の難易度、青山学院大学内部で見る難易度などをまとめました。
青学文学部の難易度
偏差値や共通テストの得点率ボーダーを見る限りでは、全体的に難易度は高めです。英米文学科は複数の入試形式があるため、方式によっては偏差値に差があります。また偏差値では学部内で一番低いフランス文学科の個別学部日程の場合、総合問題で一定の点数をとらないと他の科目で頑張っても落とされてしまうことがあります。偏差値だけでは難易度を判断するのは難しく、しっかりと取り組まなければ苦戦することだけが確かな事実です。
青学内での文学部の難易度はどれくらい?
偏差値的には他の学部よりもやや高いため、難易度もそれだけ高いことは確かです。英語の難易度に関して文学部が高いのは間違いなく、難易度も同様の傾向が見られます。入試改革がまだ道半ばで、入試改革後の傾向はこれからはっきりするでしょうが、難易度に関しては現状とさほど変わらないことが予想されます。
MARCH内での青学文学部の難易度はどれくらい?
文学部に絞った偏差値のランキングでは、MARCHトップが青山学院大学となっており、難易度は最も上であることが言えます。偏差値65は慶應義塾大学や上智大学と肩を並べるため、青学文学部は早慶上智の文学部と対等のところにあると言えるでしょう。他のMARCHも僅差で追随しており、MARCH全体でレベルが高いのは明らかですが、それでも青山学院大学の文学部が最も上にいます。
まとめ
英語の青山を象徴する文学部。入試改革で共通テストを活用した入試形式が多くなった中、英米文学科ではすべてオリジナル問題を出す形式を残しており、まだまだその難易度は高いでしょう。全学部日程では英語と国語での取りこぼし厳禁なので、とてもシビアな戦いが予想されます。まずは基礎を固め、できる限り演習量を積み重ね、合格を目指しましょう。