大学入学共通テストがスタートするなど、2021年度入試はここ30年で最も変化を見せる入試の年度となりそうです。青山学院大学(青学)も例外ではなく、個別学部日程では大学入学共通テストを活用する学部学科が増え、大学入学共通テストの重要性が増しています。 この変化が青山学院大学(青学)の2021年度入試において難化を誘発するのか、もしくは関係ないのか、このあたりの動向を探ります。
青山学院大学(青学)の入試は難化している?
2021年度入試は難化するかどうか、青山学院大学(青学)のここ最近の合格者の推移や倍率の推移、問題の難易度の3つから、探っていきます。
合格者数の推移
合格者数の推移ですが、2018年度→2019年度→2020年度と3年分のデータをご紹介します。ここでは一般入試の合計合格者数を記載します。
文学部:1492名→1152名→1151名
教育人間科学部:519名→536名→557名
経済学部:814名→1028名→1001名
法学部:749名→861名→908名
経営学部:700名→813名→889名
国際政治経済学部:703名→744名→708名
総合文化政策学部:256名→304名→309名
理工学部:1966名→1975名→2005名
社会情報学部:257名→269名→279名
地球社会共生学部:195名→185名→194名
コミュニティ人間科学部:269名→261名(2019年度から)
倍率の推移
次に倍率の推移ですが、こちらも2018年度→2019年度→2020年度と3年分のデータをご紹介いたします。ここでは一般入試の倍率を記載します。
文学部:7.3倍→5.9倍→5.3倍
教育人間科学部:8.1倍→7.9倍→5.9倍
経済学部:9.2倍→7.9倍→7.0倍
法学部:8.4倍→5.9倍→5.5倍
経営学部:13.6倍→8.8倍→8.4倍
国際政治経済学部:6.8倍→6.6倍→6.0倍
総合文化政策学部:14.7倍→14.0倍→13.3倍
理工学部:4.5倍→4.6倍→4.8倍
社会情報学部:10.6倍→8.2倍→9.2倍
地球社会共生学部:9.9倍→11.8倍→7.2倍
コミュニティ人間科学部:4.7倍→7.3倍(2019年度から)
入試問題の難易度は?
入試問題の難易度ですが、多くの学部で聞かれるのは英語が難しいという点です。英語の青山と称されるほど、英語に力を入れており、英語だけを見れば早慶レベルではないかと言われています。 それ以外に関しては多少の難易度の違いこそあれど、偏差値に見合った入試レベルです。では、力を入れなくていいかと考えるのは安直で、英語で差がつきにくく、他の教科で差が出やすいのが青山学院大学(青学)の入試の特徴です。
英語以外の教科は取りこぼし厳禁、ケアレスミスは許されません。そのような意味では、間違えられないプレッシャーは大きいです。 合格者数や倍率を見る限りでは、新しく学科が新設されたところでは倍率が高く出やすく、人気が高まっていることがわかります。 人気が高いことは多くの学生が受験することを意味しており、青山学院大学(青学)の入試が難化している、今後もその傾向が続くことが言えます。
青山学院大学(青学)は難しいのか?学部ごとのレベルや難易度を調査
青山学院大学(青学)の難化対策

青山学院大学(青学)の人気は上がり続けており、それだけ多くの受験生が青山学院大学(青学)を受けており、その分、難化が進んでいます。 青山学院大学(青学)の難化に対してどんな対策を立てていけばいいのか、詳しく解説します。
大学入学共通テストの英語を頑張る
英語の青山と言われるだけあって、英語の独自問題は本当に難しく、早慶レベルをこなしてどれだけ点を伸ばせるかという状況になります。 しかし、2021年度の個別学部日程から大学入学共通テストと独自問題の併用が行われるようになりました。これにより、学部学科によっては、「英語の青山」の影響を受けにくくなります。
例えば法学部であれば、個別学部日程A方式を受ける場合、大学入学共通テストで3教科、独自問題1教科を受けます。最も配点が大きいのが総合問題の200点、次が国語の150点、その後に英語の100点、その他科目の50点が来ます。 この独自問題は国語総合や歴史公民をミックスさせており、「英語の青山」の影響は受けません。大学入学共通テストの英語を頑張れば、あとは総合問題に全力投球できます。
もちろん経済学部のように大学入学共通テストを利用せず、英語の配点が高いケースもありますし、経営学部のように大学入学共通テストの英語の配点を低くして、独自問題の英語の問題の配点を高くするケースもあります。 戦略的に青山学院大学(青学)での合格を考える場合、「英語の青山」の影響を少しでも受けない形で試験を受けていくのも大事な要素です。
できるだけ個別学部日程で受験する
先ほど紹介した合格者数や倍率は一般入試全体の数字であり、全学部日程や個別学部日程で分けていくと、より細かくその数字が出てきます。 例えば法学部を見ると、2020年度における一般入試全体で見ると倍率は5.5倍でした。これが全学部日程でみれば6.9倍、対して個別学部日程A方式であれば4.6倍に落ちます。
全学部日程よりも個別学部日程の方が募集人員が多いのが大きく、学部によっては10名にも満たない枠しか用意していないケースもあります。 例えば2020年度の国際政治経済学部では、国際政治学科の全学部日程での募集人員は5名のみ、最終的に20名の合格にとどまりました。
全学部日程は「英語の青山」の難しい問題をクリアしなければなりません。まして、枠が少ないとなれば狭き門になり、他2教科で取りこぼせない状況になります。 経済学部の場合、英語150点、国語100点、地歴公民もしくは数学の中で1科目100点の合計350点のうち、270点が合格最低点でした。得点率は77%です。英語が難しいと言われる中で、他2科目で取りこぼせばどれだけ大変かお分かりいただけます。
それを考えると個別学部日程であれば英語を最大限回避でき、大学入学共通テストを利用できます。できるだけ個別学部日程を利用した入試スケジュールを立てましょう。
ミスをしない対策を。
難化対策ではとにかく勉強をすることが挙げられることが多いですが、確かに正しいですが、もう1つ大事なことがあります。 それはケアレスミスを1つでも少なくする点です。80点から90点、90点から100点にするのは相当な努力と労力が必要ですが、ちょっと見落としただけで平気で数点分、スコアを落とします。 知識を詰め込み詰め込んでようやく重ねてきたものを、確認不足であっさり落とす、これが一番もったいなく、1点が合否を分ける場面では絶対に避けるべきです。
なぜそのようなミスが起こるかといえば、時間に余裕がない、タイムマネジメントがうまくない、自分はミスをしないと思い込むなど様々です。 最後に見直しができる時間を確保するには、今まで以上に工夫して問題を解かなければなりません。そして、どんな場面で見落としが出やすいのかを把握するだけで大きく変わります。 ケアレスミスを防ぐ作業は、実は効率よく入試問題を解くことにもつながるので、怠らないようにしましょう。
その他私立大学の入試は難化しているのか?
青山学院大学(青学)が全体的に難化しているのに対し、他の私立大学はどうなのか気になるところですが、結論から言えば間違いなく難化しています。 その要因となっているのが定員の厳格化です。1人でも多くの学生に入ってもらうことで大学の経営は保たれます。しかし、2016年度から入学定員の厳格化が始まりました。 これに伴い、定員をオーバーして合格させられる伸びシロの部分が縮小され、むしろ1倍を少し割るぐらいになれば国からの補助金が多くもらえる措置がとられます。
わざわざ国からの補助金を減らすような動きはとらず、少しでも多くもらおうとするのであれば、定員を少し割り込むぐらいに入学者をとどめた方が得です。募集人員通りに収まる可能性が出てきてます。 枠が減って受ける人が減らなければ競争は激化、ハイレベルな戦いになります。ゆえに私立大学が軒並み難化するのは当然の流れなのです。 参照:平成31年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)
まとめ
青山学院大学(青学)の2021年度の入試は間違いなく難化します。それは青山学院大学(青学)のイメージが高位安定を見せており、人気が年々高まっているからです。 ただ2021年度から「英語の青山」の影響を受けず、大学入学共通テストの英語でカバーできる余地が生まれました。配点や受験科目、日程などをチェックしながら合格が狙えそうな選択肢を選んでいきましょう。