学び
2021.03.27
日東駒専の難化について、【入試問題の変化】【ライバルの変化】【大学側の変化】 の3つのポイントから見ていこうと思います。
結論から申し上げますと、入試問題が極端に難しくなっていることはありません。例えば、単語のレベルが上がったり文章が長くなったりしていることはないんです。
難化に大きな影響を与えているのがライバルの変化です。ライバルのレベルが高くなったり、ライバルの数が増えたりしたことが、日東駒専の難化につながっています。
大学側に定員抑制の動きがあり、日東駒専の難化に大きな影響を与えています。そもそも合格を出している人数が少なくなっているというのが受験生には辛い変化ですね。
文部科学省が「入学定員管理」を厳格化したことによる影響を色濃く受けています。例年、大学側は入学者の定員数よりも多くの学生に合格を出してきました。ですが、大学が定員を大幅にオーバーさせて受験生を合格させた場合、文部科学省が「私立大学等経常費補助金」を交付しないとして、この超過率の基準を年々引き下げてきたのです。
補助金が不交付となってしまう超過率は1973年では7倍以上でした。例えば、100人の入学定員なら、700人まで合格を出せるということです。ですが2013年には1.2倍〜1.3倍まで引き下げられたのです。
この基準はどんどん下がっています。2018年には1,1~1.2倍と定められています。着々と大学の門は狭くなってきているのです。合格者数が減れば必然的に合格は難しくなります。
近年、受験生の安全志向の流れが強まり、日東駒専を受ける学生が増えています。GMARCH志望の学生が滑り止めとして受験することが増えているのです。
前述のように合格者数を減らされて、難化していることは周知の話題です。これは日東駒専だけに限る話ではありません。早稲田大学や法政大学は前年より約2000人以上も、立教大学は約1500人以上、青山学院大学は約1400人以上、明治大学は約1300人以上も合格者を減らしました。こういった傾向から併願校として日東駒専を選択する学生の数はどんどん増えているのです。
難関大学の難化により、GMARCHクラスの受験生でも日東駒専に不合格になったというケースもあるそうです。
2018年度と2019年度の偏差値を比較してみました。
法学部(政治経済学科・新聞学科・経営法学科・公共政策学科)
2018年度:51.3
2019年度;54.4
文理学部(史学科・中国語・中国文化学科・英文学科・社会学科・社会福祉学科・体育学科)
2018年度:52.9
2019年度;55.4
経済学部(金融公共経済学科)
2018年度:52.5
2019年度;55.0
商学部(商業学科・経営学科・会計学科)
2018年度:52.5
2019年度;55.8
芸術学部(音楽学科・放送学科・デザイン学科)
2018年度:50.8
2019年度;54.2
国際関係学部(国際総合政策学科・国際教養学科)
2018年度:48.8
2019年度;55.0
理工学部(交通システム工学科・海洋建築工学科・まちづくり工学科・電子工学科・応用情報工学科・物理学科)
2018年度:49.2
2019年度;51.7
文学部(哲学科・東洋思想文化学科・日本文学文化学科・英米文学科・教育学科-人間発達・国際文化コミュニケーション学科)
2018年度:54.6
2019年度;58.6
経済学部(経済学科・国際経済学科)
2018年度:55.0
2019年度;58.6
経営学部(経営学科・マーケティング学科)
2018年度:52.5
2019年度;56.3
法学部(企業法学科)
2018年度:55.0
2019年度;57.5
社会学部(社会学科・社会福祉学科)
2018年度:53.8
2019年度;57.5
国際学部(グローバル・イノベーション学科・国際学科-国際地域専攻)
2018年度:56.3
2019年度:58.8
理工学部(機械工学科・生体医工学科・電気電子情報工学科・応用化学科・都市環境デザイン学科・建築学科)
2018年度:45.4
2019年度:48.3
仏教学部(仏教学科)
2018年度:42.5
2019年度:47.5
文学部(国文学科・英米文学科・歴史学科-日本史学・歴史学科-外国史学)
2018年度:55.0
2019年度;57.5
経済学部(経済学科・商学科・現代応用経済学科)
2018年度:51.7
2019年度:55.0
法学部
2018年度:52.5
2019年度;55.0
経営学部
2018年度:52.5
2019年度;56.3
経済学部(経済学科・国際経済学科)
2018年度:50.0
2019年度:53.8
法学部(法律学科・政治学科)
2018年度:52.5
2019年度;57.5
経営学科(経営学科・ビジネスデザイン学科)
2018年度:51.3
2019年度:53.8
商学部(マーケティング学科・会計学部)
2018年度:48.8
2019年度;53.8
文学部(日本文学文化学科・哲学科・歴史学科・環境地理学科・ジャーナリズム学科)
2018年度:50.5
2019年度;54.5
MARCHは早慶上理の受験生が流れてきたことによって、難化したとお話ししました。今後も受験生の安全志向がより強まれば、日東駒専に難関大学の受験生が流入し、今後難化していくことが予想されます。
難化というワードが並んでしまい、受験生には不安な思いをしている方もいるかもしれません。ただ、ここで忘れてはならないことは受験に合格する人は一定数いるということです。大切なのは、行きたい大学の合格者に自分がなるという気概ではないでしょうか。きちんと対策して、受験に臨みましょう。