学び
2021.03.28
受験勉強をする学生、子供をいい大学に行かせたい保護者にとって、東大京大はもちろんのこと、早慶上智に合格できれば人生の成功の一歩手前のような気分になるでしょう。早慶上智に入るのであれば浪人も厭わない、そんな姿勢を持つ方も珍しくありません。
今回は浪人から早慶上智に合格する勉強法や、浪人してでも早慶上智に入るメリットはあるのかどうか、解説します。
浪人をしてでも早慶上智に入るためにどんな勉強法をしていけばいいのか、解説します。
早慶上智に現役で合格した学生は、高校3年間で実に4200時間も勉強を行います。そのうち、高3では2250時間程勉強を行います。現役では不合格に終わった学生ですら高3で2100時間も勉強をしていました。高3は1学期までは部活動があるため、時間的な制限がある中で2000時間以上の勉強をしており、浪人になればその制限がありません。最低でも1日10時間以上の勉強を行い、それを1年間継続させることが合格に向けて欠かせない条件となるでしょう。
早慶上智の英語は私大でも最難関クラスとされ、長文読解での語数の多さなど一筋縄ではいきません。他にも英作文や正誤問題など難しい問題が多い中でこれらをこなすための基礎的な能力、語彙力や英文法の強化が必須です。特に上智大学は外部検定試験の利用を行って英語の点数が決まるため、早めの対応が重要です。夏場までに英単語や英文法を完璧にし、夏場以降は演習量をこなして色々な問題に対応していけるようになれば、現役生に勝てるでしょう。
浪人が決まるのは2月ないし3月ですが、決まった時点で既に来年の戦いは始まっています。ロスなく効率的に過ごすには、早慶上智どの学部を受験するのかを決めて、できる限り、勉強する科目を絞り込むことが大切です。慶應であれば国語ではなく小論文、上智であれば英検などの成績を利用する方式があります。1日でも早く受験する学部を決めて、対策を立てていくことで合格の可能性を高められます。
浪人すればどうにかなるだろうと楽観視する学生は多いですが、実際のところ、浪人の成功率はあまり高くありません。時間的余裕もあって浪人当初はあまり気合が入らず、どうすれば早慶に受かるのかという発想になりにくいからです。色々と足りないから早慶上智に合格できないのが実情で、足りないものを知ることが合格に向けてやるべきことを認識することにもつながります。過去問を解いてみて、語彙力が足りないのか、ケアレスミスが多いのか、すべての能力が足りないのかを見つけ、認識し、補うための計画を立てましょう。
早慶上智は試験時間に多くの問題を詰め込むため、効率的に問題を解かないと、最後まで解き切れずにタイムアップになる恐れがあります。決められた時間で解き切るための訓練を早い段階で行うことで、限られた時間で解くコツはもちろん、どんな時にケアレスミスが発生しやすいのか、なぜ時間に迫られるのかを分析でき、対策を立てられます。ダラダラと時間を過ごさないなど、浪人中は常に時間を意識しましょう。タイムマネジメントを厳格に行うことも大切です。
浪人して早慶上智に進学するのは世間的にはどのようにみられるのか、詳しく解説します。
浪人をして早慶上智に入ることを、世間はどのように捉えるのか。結論から申し上げますと、特に違和感を感じていない人が多いのが実情です。少なくとも世間では「浪人をしてでも入るべき大学か?」と思われておらず、「浪人をしてでも入るべき大学」と捉える人が多数を占めます。むしろ、浪人すれば早慶上智に入れたかもしれないのに妥協して別の大学に入ることを残念がる人はそれなりにいるかもしれません。浪人をして早慶上智に入ることについて、世間では自然なことと考えてもらえます。
世間のイメージが、「浪人をして早慶上智に入っても何ら問題はない」というものになっている以上、浪人をしてでも早慶上智に入るべきでしょう。就職面でも有名企業への就職率が早慶上智は高く、平均年収でも他の私大を大きく上回ります。1年間無駄にしても、早慶上智に入って大企業に入社できれば、1年間のロスはいくらでも巻き返すことは可能です。浪人をしてでも行くべき大学、それが早慶上智です。
では、早慶上智に合格するために何浪まで大丈夫なのか。医学部や東大京大のように多浪でも世間的に許されるケースがある一方、早慶上智の場合は2浪までに合格できれば問題ないという風潮が目立ちます。3浪まで行くと、なぜ2浪までで決められなかったのかという疑問が生まれやすく、仮に3浪で合格してもその後の振る舞いを厳しくチェックされやすいです。できれば1浪、どんな結果であれば2浪で終わらせることをおすすめします。
浪人をして早慶上智に入った場合、何かと不利になりやすいのか、詳しく解説します。
友だちを作るという観点で考えれば、早慶上智に浪人して入っても不利にはなりません。慶應のように浪人率が高い大学では、浪人して入ることは珍しくなく、浪人が負い目になって人付き合いが難しくなることはないでしょう。人付き合いに関して浪人が足を引っ張ることになる可能性は低いです。
就職面で考えた際、何浪まで許されるのか。新卒扱いをされるのは何浪までかでリサーチを行うと、2浪までのケースが多く、3浪以上になると不利になりやすく新卒扱いをされない恐れが出てきます。いわば2浪までなら現役合格者と同じ扱いになるため、2浪までに早慶上智に入ってしまえば、少なくとも浪人が就職面でマイナスになることはないでしょう。
一番厄介なのは、早慶は落ちたけれど上智には受かったというケースです。早慶と上智、いずれもハイレベルですが、厳密にチェックすれば早慶と上智で若干の差が見られます。人によっては上智に一応入学するものの、翌年に早慶を受験する仮面浪人もいます。しかし、上智に入ってもハイレベルの大学に変わりはなく、万が一上智を蹴って浪人しても、翌年に早慶に合格できるとは限りません。
それだけ強い意思があって早慶を目指すのはいいかもしれませんが、上智に入っても早慶に準じたポジション、学びは得られます。あとは、早慶で何がやりたいのか、早慶にどうしても入りたい理由とは何かを突き詰め、妥協して上智に入ることと天秤にかけて判断していきましょう。
浪人がうまくいく確率が高くないのは、現役生と差がつきやすい時期に時間的余裕もあってダラダラと勉強をしてしまうことが大きいかもしれません。浪人を決断したその日から早慶上智受験は始まっていると考えることができ、そのモチベーションを早慶上智受験の当日まで継続できる人が、浪人をして早慶上智に合格できる人でしょう。浪人を決めたら休む暇はありません。