学び
2021.03.28
私大の大学群では最高峰の位置づけである早慶上智。その早慶上智に肉薄しようとしているのがMARCHの代表格明治大学です。明治大学はどこまで早慶上智に迫っているのでしょうか。
今回は早慶上智と明治大学を徹底比較するとともに、早慶上智ではなく早慶明になる可能性などをまとめました。
早慶上智と明治にはどのような違いがあるのか、両者を徹底比較していきます。
早慶上智の偏差値はほとんどの学部が65もしくは67.5に多くひしめき、慶應は偏差値72.5、早稲田と上智は偏差値70がそれぞれトップです。一方の明治は偏差値65.0がトップで、偏差値60や62.5あたりに多くの学部学科が存在しています。このため、偏差値面では、早慶上智と明治でだいたい偏差値5ポイントほどの差がついている状況です。
明治大学は大学共通テストの利用入試を始め、一般的な入試制度ということもあり、難易度は偏差値に比例したものになっています。早慶上智はそれぞれの大学で入試改革が展開されており、慶應のように共通テスト利用入試がなくて国語も小論文に置き換えられているケースも。上智はTEAP方式と呼ばれる、外部検定試験利用で英語の点数をつけるなど、返済値以上に難易度が高くなる、受験者は減っても偏差値が落ちない状況になっています。
早慶上智と明治は知名度だけで見ればほぼ互角であり、誰もが知る大学として位置づけられます。人気を見てもわずかに早慶上智が上回っており、明治にも根強い人気が。ただ世間のイメージで考えるとやはり早慶上智の方がよく、明治へのイメージが早慶上智に肉薄するほどとは言えないかもしれません。
早慶上智と明治はいずれも立地面では都心の一等地に主要キャンパスがあり、この点でも大きな差はありません。明治大学は御茶ノ水や中野など複数のキャンパスを有しており、理系学部は川崎市にあります。慶應の理系学部は横浜市にあるため、理系学部が在籍するキャンパスの立地面でも互角と言えるでしょう。
就職面では有名企業への就職率で早慶上智が私大の中で上位を形成したり、想定年収でも私立最上位を確保するなど、確固たる強さを見せます。就活フィルターにもかかりにくい早慶上智に対し、明治も一定の存在感を見せるものの、早慶上智と比較すれば差をつけられているのが実情です。もちろんMARCH内ではリードしているものの、早慶上智を相手にすると厳しい戦いを強いられます。
結論は、早慶上智の方が様々な面で明治の上におり、偏差値面で上智と肉薄しているとはいえ、現状では早慶上智に軍配が上がります。今後、差は縮まる可能性もあるでしょうが、数年で逆転できるような差とは言い難く、この状況が当面続くことが予想されます。
早慶上智、明治にはそれぞれ看板学部があります。この看板学部について解説します。
世間一般が考える早稲田の看板学部はどこかというアンケートにおいて、絶大なる支持を集めたのが政治経済学部。全体の7割近くが看板学部と答えており、ダントツの支持率からも看板学部であることがわかります。偏差値も高く、入試改革では先陣を切るなど、今後も揺らぐことはなさそうです。(参照:日経XTREND)
先ほどの調査で若い世代に看板学部と評価されているのが法学部。法曹界や政界の道を進む卒業生が多く、偏差値も高いところで維持されており、看板学部としての資格は十分と言えます。
ここ最近の評価でこそ看板学部という扱いは受けていないものの、偏差値の急上昇などから近い将来看板学部になる可能性が高いのが社会科学部。以前は夜間の学部として機能し、その認識の人が多いことから看板学部ではないと思われがちですが、最近の伸び方、人気の上昇ぶりはまさしく看板学部に準じた存在と言えます。
早稲田に対して行われたアンケートと同じく、慶應に対しても同様のアンケートがとられました。すると、全体の4割ほどの支持を集めたのが医学部でした。慶應の医学部は伝統的で、以前から東大の医学部と双璧をなす存在となっています。(参照:日経XTREND)
若い世代がどの学部を看板学部とみなしているか、実は医学部の評価は若い世代ではそこまで伸びていませんでした。若い世代で根強く支持を集めていたのが経済学部。慶應の経済学部に合格すれば早稲田を蹴る学生も見受けられるなど、文系の看板学部として存在します。
著しい若い世代の支持を集めているのが法学部。偏差値72.5と高い慶應SECの2学部よりも若い世代の支持率が高いのが特徴的です。
上智大学の看板学部として半世紀以上揺るがない位置にいるのが外国語学部。英語学科は名門として機能するほか、ドイツ語やロシア語、ポルトガル語など様々な学科があるのが特徴です。
ビッグデータの解析により、実は最もブランド力があるとされるのが理工学部。偏差値的には早慶にやや下ですが、注目度では早慶の理工系学部より上とされ、今後の差の詰め方に注目です。(参照:マネー現代)
偏差値的に看板学部としての資格を有するのが法学部。偏差値67.5は早慶の看板学部に肉薄するもので、上智の法学部に落ちたけど早慶には受かったというケースもあるなど、早慶に負けない看板学部と言えます。
明治大学商学部は、実は早慶を含めた私立大学において商学部としては最も古い学部です。毛色の違うゼミを同時に履修できるのが特徴的で、商学部に関しては確固たるプライドを持ち合わせていることがわかります。
ビッグデータにおいて、学部ブランド力が最も高いのが政治経済学部。偏差値は60から65と早慶上智に比べれば低めですが、MARCHの中では断然リード、上智とも肉薄する学部となっており、今後に注目です。(参照:マネー現代)
早慶上智には存在しない学部である農学部。偏差値65は私立の農学部ではトップクラスであり、農学部に関して言えば日本を代表する看板学部といっても過言ではないでしょう。早慶上智のみならず他のMARCHにも存在しないため、独壇場でもあります。
明治大学の看板学部はいずれも62.5や65の偏差値となっており、早慶上智の看板学部と比較すれば5ポイント以上の差がついています。明治大学の人気が高まっており、この差が今後縮まる可能性はあるものの、逆転に至るにはまだまだ時間がかかるか、肉薄こそしても逆転に至らない可能性も十分あります。
入試難易度面で比較すると、明治は本格的な入試改革をまだ行っておらず、早慶上智が看板学部を中心に入試改革を行っている点を考慮すると、偏差値と相応の難易度に落ち着いているのが実情です。慶應であれば国語の代わりに小論文があるなど、独自の対策をそれぞれでしなければならず、偏差値以上の難易度を感じやすいと言えます。
早慶の看板学部は一定のブランド力、人気を誇り、特に早稲田の政治経済学部、慶應の医学部は幅広い世代から評価されています。一方、上智はビッグデータ的には盤石の看板学部は不在とされ、明治がしっかりと看板学部を確保していることを考慮すると、上智に明治が迫っていると言えそうです。
看板学部はいずれも都内のキャンパスにあるため、立地面の差はあまりないでしょう。明治大学の農学部は生田キャンパスにありますが、農学部専用の畑など農業を学ぶ環境は万全のため、立地だけをドライに見れば差があるかもしれませんが、実際はそこまでハンデがあるわけではありません。
就職面ではそれぞれの看板学部が大学の就職率に貢献しており、これに関してはほとんど差がないと見るべきでしょう。その他のところで差がついていると考えた方が自然と言えます。
早慶上智と明治の看板学部を比較した際、農学部のように独自の看板学部があるため、一概にどちらがいいとは言えません。しかし、早慶上智と明治に共通する政治経済系統の看板学部で比較すると、早慶上智の方が上に来ると考えるのが自然でしょう。
早慶上智から今後早慶明、はたまた早慶上明になるのではないかと言われていますが、果たして本当なのか、解説します。
上智大学の偏差値は62.5から67.5のところに多くの学部が入るのに対し、明治大学は偏差値の最大が65、だいたい60から65のところに入ります。偏差値としての差は2.5ポイント分の差で、ちょっとした差で追いつくような差と言えなくもありません。
現状では上智大学の方が世間のイメージ的には上です。やはり昔からのイメージが大きく、外国語学部が看板学部というイメージが根強いです。ただ上智の場合は外国語系の学部が分散しており、以前ほどの勢いはないとされています。逆に明治は近年人気を高めており、今後の展開で世間イメージも変化する可能性を秘めます。
看板学部のみに限れば、上智と明治はほぼ互角に近く、農学部のオリジナリティを加味すれば明治に分がある可能性も出てきます。それでも上智と明治には一定の差があります。これは看板学部以外で差をつけられている可能性があるからです。明治は新たな学部が多く、この学部の成長が今後のカギを握ります。
上智大学は複数の国際系学部があり、その頂点に外国語学部があります。その点、明治大学は国際日本学部などもありますが、この学部が現状主力とはなっておらず、第一志望として扱われる回数は多くはないでしょう。国際系学部の差が結構大きく、それが上智と明治の差になっています。
大学群が持つ大きな要素は、同じ大学群だから同じレベルにあると思われることです。早慶上智と括られれば早慶と上智はほぼ同じレベルにあると考えがちです。細かく見ていけば早慶と上智ではそれなりに差があります。これはMARCHにおける明治にも言えることです。早慶上智と括られている以上、よほど明治をプッシュする予備校が出てこない限り、追いつくのは大変でしょう。
日本唯一のカトリック神学部で、キリスト教の倫理や文化を身につけていくのが特徴です。
理系以外にも波及していくことを目的とした総合数理学部。現状はカラーがはっきりとしておらず、発展途上です。
ある程度歴史を重ねている文学部。偏差値的には落ち着いたポジションにいます。
日本の魅力を世界に向けて発信していく人材を生み出すために作られた国際日本学部。学部そのものの魅力は段々と出始めているところです。
歴史がある上智大学の文学部。偏差値的にはやや下の方にいるのが実情です。
河合塾では偏差値が出されていないスポーツ科学部。多くのアスリートが在籍する一方、キャンパスが都心から離れているのがネックです。
看護医療学部は慶応大学病院で学べ、卒業すればそのまま病院で働けるため、根強い人気があります。
どちらかといえば医学部に近いとされる人間科学部。実際に何をするのか、すぐにはわからないあたりがネックとなっています。
女性の割合が多い文化構想学部。別名戸山女子大学とも言われ、女子大のような雰囲気が醸し出されています。
他では看板学部になっている上智の経済学部。現状は倍率が低く、他の学部とは差がついています。
一定の偏差値を誇る明治の経営学部。ただ他の学部の存在感と比べるとやや地味な存在です。
薬学部の中では全国でも上位の慶應の薬学部。需要は常にありますが、まだ慶應のカラーに染まり切れていないと言われています。
早稲田の3つの理工系学部は、分割したことでビッグデータから見たブランド力が低下してしまいましたが、本来はもっと高い序列であってもおかしくはありません。
情報コミュニケーション学部はIT系に強く、エンジニアを輩出するなど就職に強い学部として明治を支える存在になり得ます。
伝統のある明治の理工学部。偏差値はこの中では多少低めですが、上智と対峙するだけのポテンシャルはありそうです。
様々な学科が含まれている総合人間学部。学科それぞれは立派なだけに、総合人間学部が何をする学部なのかわかりにくいのがネックです。
グローバル教育を活用した学部とされる総合グローバル学部。しかし、似たような学部が多く、まだそのカラーが出し切れていない状況です。
慶應SFCと称される2つの学部。偏差値では申し分なくトップクラスですが、キャンパスの遠さや何をする学部なのか浸透しておらず、現状はこのポジションです。
伝統を誇る早稲田の文学部。色々新しい学部がある中でも一定のポジションを守り続けます。
教育学部は教職を目指す人にとって憧れの場所であり、全国的な知名度があります。
国際教養学部はグローバル教育に力を入れた学部で、上智の国際グローバル学部と比べ、何をやっているかが比較的伝わっており、偏差値も高めです。
上智の看板学部である外国語学部。近年は国際系学部が大学内にいくつもできており、やや分散され気味になっており、今後の動向に注目です。
こちらは明治の看板学部である商学部。日本最古の商学部としての矜持を感じさせます。
三田文学でおなじみの慶應文学部。早稲田と慶應でダブル合格した際には慶應文学部が選ばれやすい傾向にあります。
早慶の商学部はダブル合格が発生した際、年によって目まぐるしく割合が変わり、力関係でいけばほぼ五分です。
偏差値で早慶上智に迫ろうとしている法学部。ここまでの伸びが著しい学部です。
今後看板学部になる可能性が高い社会科学部。現状は認識がまだ弱めですが、実績次第で一気に上がる可能性も秘めます。
早慶上智にも他のMARCHにもない明治の農学部。農学部の中でもトップクラスの偏差値を誇り、間違いなく看板学部として機能しています。
偏差値では早慶と対峙できるだけの数字がある法学部。その人気は大学内でも根強く、早慶と互角になれる数少ない学部です。
意外な人気を見せ、看板学部になりつつあるのが理工学部。大企業への就職率を下支えする存在です。
明治一番の看板学部である政治経済学部。上智にも肉薄するなど、今後の成長に期待です。
若い世代から看板学部として評価されている早稲田の法学部。慶應法学部とダブル合格の際には常に圧倒的な差をつけられており、入試改革が待たれます。
偏差値65と高いポテンシャルを見せる慶應の理工学部。入学してから専攻を決められる懐の広さも特徴的です。
若い世代から看板学部として絶大な支持を集める慶應法学部。早稲田の勢いが強まった2021年でも、慶應法学部への信頼度は不動でした。
看板学部である慶應の経済学部。すべてにおいて優れており、この順位が妥当です。
入試改革が行われ、少数精鋭となった政治経済学部。慶應法学部や経済学部とダブル合格をしても早稲田の政治経済学部が選ばれやすくなるなど、看板学部としての強さが高まっている状況です。
全世代から看板学部として支持を集めた医学部。昔から存在し、全国的な知名度を誇り、全国の医療従事者の憧れの存在となっています。
早慶上智と明治、人気面や知名度では意外と互角を演じており、今後早慶上智に食い込む可能性も否定できません。早慶明になるのか早慶上明となるか、はたまた上智と組んでSMARTになるのか、その動向に注目です。