学び
2021.09.30
「浪人が決まったけど、予備校って必要なのかな」
「自習したほうが成績伸びるって聞くし...」
このように浪人を考えている、浪人が決まっている人の中には不安を抱えていることも多いと思います。
この記事ではそんな浪人生に関する疑問を解決します。
具体的には
・浪人して予備校に通うメリット・デメリットとは?
・浪人して宅浪するメリット・デメリットとは?
・予備校浪人と宅浪の合格率はそれぞれどれくらい?
・予備校浪人と宅浪の大きな違いとは?
・予備校浪人より宅浪が向いている人はどんな人?
の順に紹介します。
もう1つの選択肢である宅浪とも比較していますのでぜひ一読ください。
浪人して予備校に通うメリット・デメリットを解説します。
まずは浪人生が予備校に通うメリットを解説します。
浪人生が予備校に通う1つ目のメリットはカリキュラムにそった質の高い授業が受けられることです。
予備校に通うと今まで高校の授業で受けていたように、毎日授業があります。浪人生が1年間で志望校に合格するための綿密なカリキュラムが組まれているわけです。
また講師の質も一流。高校では「この人の授業わかりにくい...」ということもあったと思いますが、予備校の講師はそれでは人気がなくなり解雇されてしまいます。
そのため参考書を出版するほどのプロフェッショナルな講師が集まっているのです
綿密なカリキュラムとプロの講師による質の高い授業が受けられることは予備校の大きなメリットでしょう。
浪人生が予備校に通う2つ目のメリットは受験情報が手に入ることです。
例えば大手予備校では毎朝、朝礼の時間がありそこで
・模試の情報
・願書などの申し込み
・その他、入試情報
を共有してくれます。
そのため自分で締め切りやスケジュールを管理する必要はありません。
また赤本などの過去問もおいてありますから、いくらでも演習を行えます。余計なことは考えずに受験に集中できる環境と言えるでしょう。
浪人生が予備校に通う3つ目のメリットはだらけにくいことです。浪人生で大変なのはモチベーションを保つこと。
予備校に通えば毎日、授業がありますからどうしても勉強することになります。毎日同じ時間に、通学し、同じ時間に帰るという生活リズムを作れる可能性は高いでしょう。
生活リズムが整えば、勉強の効率も上がるので大きなメリットといえます。
浪人生が予備校に通う4つ目のメリットは周りの仲間から刺激が受けられることです。
一年間、毎日勉強漬けとなると「今日は疲れたから早めに帰ろうかな...」と心が揺れる日もあるでしょう。
そんな時、周りの同じ志望校を目指す生徒が勉強しているのを見たら
「自分が休んでいる間にこの人は勉強している」
「自分も頑張らないと」
と刺激をもらえるでしょう。
受験は団体戦という言葉もあるように、周りに勉強している仲間がいるかどうかで勉強の追い込み方は大きく変わってきます。
予備校ではそのような仲間を持てる良い環境と言えるでしょう。
浪人生が予備校に通う5つ目のメリットは自習室があることです。予備校では多くの場合、授業の教室とは別に自習室があります。
そこで授業と授業の間の時間や、授業が終わった後に勉強するわけです。予備校の自習室は空調や温度も管理されており静かな環境で勉強できます。
また周りを見渡せば同じように勉強している受験生ばかりです。
逆に自宅だと誘惑が多かったり、図書館に行っても席が空いていなかったりすることもあるでしょう。
予備校ではそのようなことはなく、すぐに勉強に集中できる環境が整えられています。
次に浪人生が予備校に通うデメリットを解説します。
浪人生が予備校に通うデメリットの1つ目はお金がかかることです。予備校は1年間の授業料だけで100万前後のお金がかかります。
そこに
・毎日の交通費
・食事代
・夏期講習や冬期講習
・小論文、苦手分野の特別授業
・模試
などの費用も掛かってきます。
国公立大学の1年間の学費を大きく超えるくらいの額です。これは大きなデメリットと言えるでしょう。
「将来の自分への投資」と考えられますが、親としっかりと話し合って結論を出す必要があります。
浪人生が予備校に通うデメリットの2つ目は自分にあったカリキュラムではない可能性があることです。
高校でも経験があると思いますが、授業というのは複数人に対して行うため、必ずしも自分にとって効率がいいとは限りません。
「ここはわかっているのに、じっくり解説するなあ」
「この範囲は得意だからあまり身にならないなあ」
ということが起きるのです。もちろん復習と捉えることはできますが、自習で苦手分野のみを重点的に勉強したほうが成績は伸びるでしょう。
浪人して宅浪するメリット・デメリットを解説します。
浪人生が宅浪するメリットを解説します。
浪人生が宅浪するメリットの1つ目はお金がかからないことです。予備校のデメリットでも述べたように予備校に通うことで100万前後のお金がかかることになります。
100万円といえば大金です。家庭によっては、そんなお金は払えないというところもあるかもしれません。
しかし宅浪を選べばお金はかなりカットできます。これは宅浪の大きなメリットでしょう。
浪人生が宅浪するメリットの2つ目は逆転合格が可能であることです。
宅浪するということは多くの場合、参考書を用いて自分で勉強するということ。つまり自分に合ったカリキュラムを組めます。
授業だと教室の生徒全員に向けて行うのでどうしても効率は落ちます。しかし自習では自分の苦手なところに徹底的に時間をさけるわけです。
モチベーションをうまく保って勉強を行えば、予備校に通うよりも大きく成績を伸ばす可能性があるでしょう。
浪人生が宅浪するメリットの3つ目は移動時間がいらないことです。予備校に通う人の中には予備校まで電車を使って通学している人もたくさんいるでしょう。
朝から予備校に籠って勉強したいという人は、通勤ラッシュと被ることもあるかと思います。
しかし宅浪であればそのような心配はいりません。
自宅や近くの図書館、カフェで勉強すれば
・移動の体力
・移動の時間
をカットできます。
行きと帰りで1時間かかるとすれば、1年間で365時間。つまり10日間、休みなく勉強する分の時間が確保できるということです。
これは大きなメリットと言えるでしょう。
浪人生が宅浪するデメリットを解説します。
浪人生が宅浪するデメリットの1つ目はだらけやすいことです。浪人生にとってモチベーションは命です。
モチベーションがなければ、勉強できずに「だらだら一年間すぎてしまったなあ」と浪人を終えることになります。
宅浪ではそのモチベーションをそぎやすい環境と言えます。例えば予備校では授業がありますから、たとえやる気の出ない日でも予備校で勉強ができるでしょう。
しかし宅浪の場合、勉強を強制してくれる環境はありません。いくらでもだらだらできるのです。
また刺激を受ける仲間がいないという問題もあります。
予備校では周りの目があるため、「スマホを何となく開いてYouTubeを見たら5時間たっていた」なんてことは起こりにくいでしょう。
しかし宅浪では十分あり得ます。このように宅浪はモチベーションを保ちにくくだらけやすいというデメリットがあります。
浪人生が宅浪するデメリットの2つ目は主体的に情報を集める必要があることです。
宅浪の場合、今まで高校が連絡してくれていた情報を自分で集めなければなりません。
例えば
・模試の申し込み
・受験の申し込み
・受験制度について
・今年度の受験の傾向
などです。
特に宅浪では出願期限を過ぎていた、出願に不備があって受理されなかったという話も聞きます。自分は自己管理が苦手だという方は要注意です。
ここまで予備校、宅浪のメリット・デメリットを解説してきました。しかし一番気になるのは予備校と宅浪どっちが合格しやすいのかですよね。
ここでは予備校と宅浪の合格率を解説します。第一志望の合格率は次の通りです
予備校:10~20%
宅浪:予備校より少ない
予備校に通ったとしても合格率は10~20%。使える時間は現役生よりも多いですが、「時間を無駄にできない」という緊張感や集中力の面では劣っているからでしょう。
また宅浪については具体的なデータはありませんが、合格は限りなく難しいといわれています。
しかし現在はオンラインで授業を受けられたり、自習室のみをレンタルできたりとサービスも充実しているため、戦い方によっては確率を伸ばせるはずです。
予備校浪人と宅浪の大きな違いを解説します。
予備校浪人と宅浪の一番の大きな違いはモチベーション保ちやすさです。何度も言うように浪人生はモチベーションが命です。
その点、予備校は勉強しやすい環境にあるといえるでしょう。
またメンタルの面においても、予備校ではアドバイザーがいるため、相談しやすいという利点があります。
対して宅浪は孤独の戦いです。「今の勉教法であっているのか」「これで成績は伸びるのか」と不安になることが多いと思います。
予備校浪人より宅浪が向いている人はどんな人でしょうか。
予備校浪人より宅浪が向いている人はやるべきことが明確な意志力の強い人です。
自分の中で「これをやれば成績が伸びる」という方法論が固まっている人は不安になることなく勉強できます。
また孤独でも目標をめがけて全力で走れる意志力の強い人は宅浪でも勉強できるでしょう。
ここまで浪人して予備校に通うメリット・デメリット、宅浪との比較を解説してきました。
内容をまとめると以下の通りです。
〈予備校に通うメリット〉
・カリキュラムにそった質の高い授業が受けられる
・受験情報が手に入る
・だらけにくい
・周りの仲間から刺激が受けられる
・自習室がある
〈予備校に通うデメリット〉
・お金がかかる
・自分にあったカリキュラムではない可能性がある
〈浪人生が宅浪するメリット〉
・お金がかからない
・逆転合格が可能
・移動時間がいらない
〈浪人生が宅浪するデメリット〉
・だらけやすい
・主体的に情報を集める必要がある
予備校も宅浪もそれぞれ一長一短です。自分が何を重視するかしっかりと考えて選択していきましょう。